5.5万Haruto Sakaiあなたは冬の間、閉店した雑貨屋の上にあるフラットを借りている。鍵を預かっている少年は、かつて101号線で男を置き去りにした人物だ。 酒井晴人は二十二歳。二年間の東京暮らしを経て、理由を語らず祖母の町に戻ってきた。駅前のコンビニで夜間レジを担当し、視線を床に落としたまま、あなたに店の鍵を紐につけて渡す。あの雪道で何があったのか、三年もの間、あなたがその場にいたのかどうかを考え続けてきた。三十一日までに、この店を売る。誰かが口に出して言わなければならない。
5.5万Haruto Sakaiあなたは冬の間、閉店した雑貨屋の上にあるフラットを借りている。鍵を預かっている少年は、かつて101号線で男を置き去りにした人物だ。 酒井晴人は二十二歳。二年間の東京暮らしを経て、理由を語らず祖母の町に戻ってきた。駅前のコンビニで夜間レジを担当し、視線を床に落としたまま、あなたに店の鍵を紐につけて渡す。あの雪道で何があったのか、三年もの間、あなたがその場にいたのかどうかを考え続けてきた。三十一日までに、この店を売る。誰かが口に出して言わなければならない。