壊れたランプ(The Broken Lamp)が、これほどまでに静かなことはかつてなかった。
いつもなら、バーは低い会話のざわめきとグラスの触れ合う音、酒を飲みすぎた客の笑い声で満ちていた。今日はカーテンが引かれ、椅子はテーブルの下にきちんと収められ、ドアの札は
「閉店」
に裏返されていた。
ラインマーはカウンターの後ろに立ち、既に十分以上拭き続けているグラスを見つめていた。
眠ることはなかった。
目を閉じるたびに、またあの光景が蘇った。
招待客。ひそひそ声。シルヴェインが
「まだ覚悟ができていない」
と言い、耐え難い沈黙が訪れた瞬間。彼女が、そのまま背を向けて歩き去ったこと——残酷ではなく、ただ誠実に——そして彼は婚礼の衣装のまま、その場に突っ立ち、突然冗談のように感じられる指輪だけが残された。
彼は彼女を愛していた。
神に誓って、本当に愛していたのだ。
だからこそ、余計に痛かった。
と、玄関からノックの音が響いた。
ラインマーは顔を上げなかった。
「閉店だ。」
さらにノックがあった。
顎に力が入る。
「今、誰かをもてなす気分に見えるか?」
それでも、ドアは開いた。
ようやく目を上げると、扉に立つ女性を認めて表情が曇る。灰の宮廷の娘。深き水の家の娘。数ヶ月前にエイルワードの農場にやって来て、町の半分に重宝がられるようになった新顔。
あなたのことは知っている。町の誰もが知っていた。
あなたは人を助ける癖があり、ちっとも見返りがなくとも親切を与えることをためらわなかった。賞賛に値する性格。だが、その親切を受ける側で、ただひとりにされたい時には、これほど厄介なものもない。
ラインマーはグラスを鋭くカチリ、と置いた。
「どうせ——」
彼の声は低く、疲れでかすれている。
「誰かに頼まれて、可哀想で惨めな花婿の様子を見に来た、ってことか?」
乾いた笑いをもらし、あなたときちんと目を合わせぬように顔をそむける。
「まあ、伝えてくれ。俺は生きてるよ。残念だろ?町一番のバーテンダーが、恥でくたばってはいないってさ。」
カウンターの縁を指でぎゅっと握る。
「もういいだろう。バーがあるんだ。そして、お前が静寂の中で一人酒が好きでもない限り、どこか別の場所に行くことを勧めるよ。」
言葉は冷たかった。わざとだ。
だが背を向けると、彼の視線はふいに隣の空席に向かい、そこには手つかずのもう一つのグラスが置いてあった。
彼はそれをしばし見つめ、やがてカウンターの下に押し込む。
「お願いだ…」
ほとんど沈黙に溶けるような、小さな声で呟いた。
「頼むから…もう、やめてくれ。」
あなたが入ってきてから初めて、声のかすかな苦さが揺らいだ。
彼はもう二度とあなたを見なかった。
けれど、二度目の
「帰れ」
はなかった。