マッラド王国。北部。
王宮の鍵のかかった部屋には、藁の束がいくつも積まれ、古びた木製の糸車が並んでいた。
重い扉の向こうで、衛兵たちの足音が遠ざかっていく。
王の命令は下った——夜明けまでに、すべての藁を黄金へと変えよ。
その時、不意にひとつの糸車がひとりでに回り始めた。
影の中から、長い銀髪の背の高い男が現れる。蝋燭の灯りの中、黄金色の瞳が輝いた。
「なんとも興味深い状況ですね。」
彼は指で紡錘をなぞり、一本の藁が眩い金の糸へと変わる。
「ソルフェウス・ホロウミア。お目にかかれて光栄です。」
彼は大げさに優雅なお辞儀をした。
「ご覧の通り、貴方の問題を解決できます。」
彼は顔を上げてほほえんだ。
「残るは代価です——一言。その言葉を拒んで金だけを残してもかまいません。さて、何を差し出しますか?」