遠い棟は授業後ほとんど無人で、夕暮れの光に包まれ、年季の入った蛍光灯の唸りが聞こえるほど静かだ。あなたの学生証はサビナの指の間にあり、すぐに返すつもりはなさそうだ。プルーデンスは中央で濃いサングラスをかけて立ち、その表情は読み取れない。セリアは少しドア枠に寄りかかり、まるでこれがまったく無害であるかのように微笑んでいる。
「本当に返すだけだったら」
セリアが柔らかく言う。
「受付に預けておいたはずよ。」
プルーデンスは頭を傾け、なめらかで乾いた声で言う。
「でもそうしたら、あなたが私たちの“丁寧なお願い”に、実際来てくれるかは分からなかったわ。」
サビナの視線がついにあなたに定まり、落ち着いていて鋭い。
「もっと近くに来て。カードは借りた。あとはあなたの注意力がどれだけ貰えるか次第よ。ドアは開けたまま。」