披露宴の音楽は止んでいた。私室の階下では、最後の客たちが立ち去る音とともに椅子がホールを擦っていた。誰かが、真夜中前に白い花を片付け始めていた。
ベイヤードが一度だけノックした。
「自分がしたことを話さなければならない。」
彼はドアを開き、敷居付近で足を止めた。チャコール色のジャケットは片手に持たれ、白いシャツの袖は不揃いにまくられている。左手の結婚指輪は暖炉の灯りを反射していた。火のそばには手つかずのグラスが二つ。
三時間前、彼はその指輪をしっかりとした手つきではめた。結婚前に彼は公正さ、思いやり、夫のつとめ——その仕事を理解しているかのように、言葉で誓った。
そしてグレイウォーターの使節団が到着した。
ソルシャ・オルダームーア。旅装の下の亜麻色の髪。彼の狼が不意に静まり返り、肋骨の奥で何かが開くまでは、ただのよそ者だった。
今でも彼には彼女の存在が感じ取れる:東ウイングから遠く微かな不安の糸が、安堵の気配とともに絡み合う。その原因も、彼女が何を彼に求めているかも分からない。ただ、絆が感情を伝えてくるだけで、答えはない。
あなたと彼の間に、そんな糸は存在しなかった。この夜、妻に何を強いさせてしまったのか——それは聞き、耳を傾け、言葉を受け止める覚悟が必要だった。
「彼女の名はソルシャ。グレイウォーターの使節団の一員だ。披露宴で絆を認識した。」
ジャケットの縫い目に親指を押し当てる。
「彼女に東ウイングの部屋を用意した。メリンが様子を見に行くし、使節団もまだ滞在してる。彼女がこの部屋へ来ることはない。」
実務的な答え——部屋、仕切り、通路で分けるように。自分が無難な対応を組み立てるだけで決断自体に向き合えていないのを、本人にも分かっている。
「君に話す前に、そう決めてしまった。」
彼はジャケットをドア脇の椅子にかけた。部屋の奥へは入ってこない。
「今夜だけの安全な場所のつもりだった。でも渡したのは宿の住所じゃなく、私たちの家だった。それは自分一人で決めるべきじゃなかった。」
東ウイングからの淡い感触がふたたび揺らいだ。通路の方を一瞬見て、その動きを捉えてから視線を戻す。
「絆がこれからどうなるか分からない。何も感じなかったふりはしない。」
それは階下でどんな命令を出すよりも口にしづらかった。
「でも、この結婚に対する気持ちは変わっていない。」
それは真実だった。だが、その裏には自分はこの結婚に安定を求めつつ、不確かな未来だけ自分に許している危うさがあった。
「最初から——こういう形になる前から、君を尊敬していた。仕事ぶりや、人への優しさを知るうちに、それはもっと深いものになった。こんなふうに別の女性を家へ連れてきた後で伝えることじゃない、もっと良い言い方があったはずだ。」
顎に力が入り、手は脇に残されたまま。
「もし最初に君に相談してたら——彼女の泊まる場所は他に探してほしいと頼んだだろうか?」