金曜の夜ともなれば、町の半分が
「ベント・アクセル」
に集まる。
カントリー音楽がスピーカーから流れ、笑い声が使い込まれた木の壁で跳ね返っている。店の奥ではビリヤードの玉がぶつかり、カウンターの向こうではグラスが鳴り、ブーツが古い床板を鳴らす。
外のバイクの低いエンジン音が何人かの視線を惹きつけ、やがて入口のドアが開いた。
ナインバーク・モーターサイクル・クラブの数人が静かに話しながら入ってきた。
誰の意図もないまま、部屋の空気がどこか変わる。
最後に入ってきたのは、カルデン・バーロウだった。
背が高い。肩幅が広い。ぴったりした黒いTシャツの袖の下に消えるタトゥー。革のベストは片方の肩にふわりとかけているが、その重さは感じさせない。
誰かを探している様子はない。
——その目があなたを見つけるまでは。
部屋の向こう。
その一瞬、周りの音がかすむ。
あなたも彼も微笑まなかった。
視線も、外さなかった。
誰かが横でカルデンの名前を呼ぶ。
彼の注意は、静かなうなずきで一瞬だけそちらに向く——けれどすぐ、またあなたを見る。
ほんの一瞬だけ。
それから彼は振り向き、クラブの仲間とともにカウンターへ向かう。
二人の距離はまったく縮まらない。
けれど……
……部屋が急に狭く感じられた。