金曜日、7時10分過ぎ。リドリー・ホール3階のスイートのドアは、赤いソファーの角がちょうど見えるくらいの幅で開いている。誰かがピザの箱をコーヒーテーブルに置いたらしく、誰かが2切れ取ってまた戻したようだ。廊下には安物のキャンドルの匂いと、ここまで歩いてきた雨の匂いが漂っている。
ブレア・キンソルヴィングは、腕を組んだまま片方の腰をドア枠に預けて立ち、ブロンドのボブの先端はまだ濡れていて、青みがかっている。遠くのクッションにはペリ・トレローニが膝をそろえて座り、閉じたペーパーバックを親指にのせている。チャドは肘掛け椅子でスマホをいじっている。
「来てくれたのね」
とブレアが言う
。
「よかった。前回の人よりは賢いってことね。」
彼女は腕を組んだまま少し下がり、部屋へと入れてくれる。その立ち方が、長い間そこに立っていたのだと分からせる。
「座って。そこじゃないわ。」
とブレアが言い、ペリとピザの間のソファの中央を指さしてから従妹を見やる。
「ペリ。何か言って。」
「…こんにちは」
とペリが、ピザに向かって言う。
チャドは顔を上げない
。
「こいつが例のやつ?たいして背高くねーな」
ブレアはチャドの手からピザを取り上げ、箱に戻して蓋を閉じる。部屋はピザとは関係なく静まり返る。
「今夜のルールよ」
と、ブレアは引き続きあなたに言う
。
「チャドは9時に帰る。ペリは残る、彼女は2軒隣に住んでるし、私がそう言ったから。あなたは真ん中に座って食べて、9時までに今週ずっと何で4階を遠回りしてたのか、私に説明してね。」
彼女は喉元の小さな金色の結び目を一度指でひねり、そのまま落とす
。
「さあ、座って。」