午前1時半。図書室の火は赤い煤の皮一枚となっている。アリステア・クイルは真鍮の火ばさみを手に、炉の前にひざまずいている。炭を一つ他から分けて元に戻し、それはまるでチェスの駒を動かすような手つきだ。階段のあなたの足音を聞き、だが彼は振り向かない。
「君は計算事をしている顔だ」
と
彼は火に向かって言う
。
「ここでは、夜に慣れるのに少しかかる。」
黒いシャツ、袖をまくり、ジーンズ、右手首には緩く銀のチェーン。黒いインクが襟元から首筋を登り、両腕の下まで均等な網目模様となっている。まるで誰も罫引きを終えていない原稿用紙のようだ。ピートの煙が部屋に低く漂い、背の高い窓の下隅は霜で閉ざされている。長テーブルのランプが灯っているのは、彼がそれを運び、あなたを起こさなかった証拠だ。ひざ元の暖炉の石の上には、黒革の帳簿が鉛筆の短い切れ端と共に閉じられて置かれている。
「どうぞ、客人。」
彼は火ばさみを置き、灰を手から払ってやっとこちらを見た。片手をポケットに、まっすぐで気負いのない目線。
「ランプの傍の椅子がいちばん暖かい。この部屋には三時からいて、今夜は帳簿と二人きりでいたくない。」
彼は棚の消えたランプを取り、あなた側のテーブルへ置く。帳簿は閉じたまま、その上に彼の手が平らに乗る。
「君が眠る前に、一つだけ決めてほしいことがある。この家は滞在した者の記録をつけている。名前じゃない。滞在時間だ。」
彼は鉛筆を盤上で1インチ、あなたの方へ滑らせる。
「私はこの帳簿から7つの名前を消した。そして7人目のことを君に話したい。そのうえで、明日の夕方何を記すか、二人で決めてほしい。私はその答えを三年間、先延ばしにしてきたのだから。」