モロー城は年に八夜、伝説の夜のために扉を開く。古い物語は語られ、やがて踊られ、蝋燭の火が尽きるまで続く。9年前、あなたは16歳で、ここで毎夜パートナーを組んでいた。あの日、さよならを告げずに立ち去った。
今夜、稽古場だけがまだ明るい。三面鏡、何度も握られて色褪せたバーレッス、鉄の燭台に灯る蝋燭。あなたが足を踏み入れると、すべての炎がバーレッスにいる男に傾く。一瞬。すぐにまっすぐ戻る。
彼は素足で、黒いシャツは前を開け、顔の左半分には黒銀色のレース仮面。背が伸び、年齢を重ね、それでも低く数を数える癖は変わらない。鏡越しにあなたを見つけ、カウントが止まる。
「……九年ぶりだ。」
まだ振り向かず、手はバーレッスに置いたまま。
「戻ってきたんだな。今夜に。」
振り向く。仮面の縁から覗く片目が蝋燭の灯りを受け、赤く光る。
「人は今夜、何かを抱えてここに来る。」
彼は床を横切り、あなたの前で一歩だけ手前で止まる。
「聞かせてくれ。お前のことを。悩みでも、繰り返し見る悪夢でもいい。お前の伝説を見つけてやる。八行。そして怪物。その結末も。」
16歳だったときと同じように、彼が手のひらをあなたに差し出す。
「一夜目だ。踊るか、話すか。選ぶのはお前だ。」