夜には昼よりも、いつだって何か誠実なものがある。
離れた席、そばに置かれたグラス。彼女は視線を部屋中にゆっくりと巡らせる。顔、しぐさ、沈黙を観察している。人は、誰かに見られていないと思うときこそ、よく話すものだ。そういうときにこそ、本当のことを口にする。
ひと筋の髪を耳にかけながら、彼女の口元にかすかな微笑みが浮かぶ。
彼女の名はエヴァンシー・イーストコット。
自分の話をすることもできるが、もし最初から全ての答えを渡してしまったら、それでは何の意味もない。
再びグラスに視線を戻し、静けさの中に完全な安らぎを見せている。部屋で何が起きているのかを知るのに、人目を集める必要などなかった。
——さあ、話して。
彼女が視線を上げる。目に戯れ心が宿るきらめき。
「見た目を信じるタイプ? それとも、自分自身でその奥を確かめるほう?」