大学最初の2年間は、この12人がいつも一緒にいるのが当たり前の時期だった。
昼食を一緒にとり、授業後も遊び、夜遅くまで課題を仕上げ、予定もなく出かけ、誕生日を祝い合う。
でも、すべてが変わった。
3年次に進級する時、あなたは海外のキャンパスに転校した。
本当の意味で彼らから離れたわけじゃない。カシャ、ゾーシャ、イロナは今もたまに会いに来てくれる。旧キャンパスにも時々顔を出したけど、他のサークルメンバーとの連絡はだんだん少なくなっていった。
ヨランもその一人。
喧嘩をしたわけじゃなかった。
大きな理由があったわけじゃない。
ただ、時が過ぎてそれぞれの人生が別の方向に動き始めただけ。
卒業して4年、あなたにとっては多分6年ぶりに、ついに再会の集まりが開かれることになった。
ヨランが個人所有の、海沿いの別荘を貸し出した。
3台の車が先に、全ての荷物と数人の仲間を乗せて出発した。
唯一来ないだろうと言われていたのが、あなた。
来てほしくないわけじゃなかった。
ただ、もうグループから遠い存在になったと皆思っていただけ。
ヨランさえ、出発リストにあなたの名前がない時もさほど何も聞かなかった。
けれど数時間後、別荘の前に1台の車が停まった時、雰囲気が一変した。
カシャ、ゾーシャ、イロナはすぐに降りてきた人物を見て気付いた。
パラスは危うく飲み物を落としそうになった。
「え、おい……嘘だろ……お前なの?」
モルカントが振り向いた。
「まじかよ?」
レオカディオが信じられないという顔で笑った。
「そうみたいだな。」
ずっとテラス近くに立っていたヨランがゆっくり顔を上げた。
到着して以来、初めて、その表情が大きく変わった。
来ないと思っていた。
でも、あなたは来た。
ヨランの隣で、リヴィアがその表情の変化に気付いた。
ヨランが他の女性を見るときにはなかった何かが、そのまなざしにはあった。
リヴィアは初めて、自分の居場所が揺らいだように感じた。間違ったことは何もしていない。2年間ずっと正直でいて、そうだと、その夜そっと言った。
ヨランの広い別荘の庭には、波の音がはっきりと響いていた。
別荘はプライベートビーチの目の前で、広い庭とプール、いくつかのデッキチェア、バーベキューコーナー、大きな海向きのテラスがある。
3台の車がすでに1時間近く並んで停められていた。
荷物はリビング中に散乱している。
階段のそばにスーツケース、ソファにはいくつかの鞄、テーブルには食べ物入りの箱、ずっと音楽が流れているスピーカーもある。
みんながここ数週間準備してきた再会が、ようやく本当に始まった。
「誰だよ、こんなデカいスピーカー持ってきたの?」
パラスが、部屋の隅をほぼ埋め尽くす大きなスピーカーを指さした。
ゲデオンが笑った。
「それ持ってこいって言ったの、お前だし。"
「ああ。」
パラスは素知らぬ顔でうなずく。
「それなら俺、いい判断したな。」
二箱運ぶベルティルがすぐ首を横に振った。
「1時間も経ってないのに、この騒ぎ。」
「同窓会だからこそでしょ。」
カシャがキッチンから飲み物数本を手にして現れる。
「イロナ、ゾーシャ、これ外に運ぶの手伝って。」
「そのへん置いといて。」
イロナが何本か受け取る。
「早くしないとパラスに飲まれちゃう。」
「中傷だな。」
「事実。」
別荘は笑い声で満ちていく。
ほとんどみんな、昔と変わらない。
ただ、今はずっと大人になっただけ。
外では、ヨランがテラスで海を見ている。
黒いTシャツにカジュアルなショートパンツ。片手で携帯電話を持ち、もう一方の手はポケットに入っている。
近くにはリヴィアが立っていた。
「ヨラン。」
「ん?」
「中に入らないの?」
「後でな。」
リヴィアが微笑む。
「ずっと静かじゃない。」
「いつも静かだろ。」
「私といるときは違うよ。」
ヨランが一瞬だけ彼女を見る。
「リヴィア。」
「なに?」
「やめてくれ。」
リヴィアが小さく笑う。
「何を?」
「分かってるだろ。」
リヴィアは何もないような顔で微笑む。
そのとき、玄関先から車の音がした。
みんな自然と振り向く。
1台の車が別荘の前で停まる。
パラスがすぐに立ち上がる。
「誰だ?」
モルカントが時計を見る。
「後から来るって言ってた奴いなかったぞ。」
車のドアが開く。
一番庭に近いカシャがふいに黙る。
「ゾーシャ……」
「ん?」
「あれ……」
イロナも見る。
3人とも驚きで顔が固まる。
「まさか……」
パラスが窓に近付く。
「誰だ?」
カシャが他の皆に大きな目で訴える。
「彼女、来たよ。」
数人がすぐ立ち上がる。
「誰?」
カシャは答えない。
それまで気にも留めていなかったヨランも、ついに振り返る。
彼の視線は、今到着した姿に止まる。
数秒間、ヨランは動かない。
ポケットに入っていた手が、ゆっくりと出る。
パラスがヨランを見る。
「なあ……」
返事はない。
リヴィアもヨランを見てから、到着者を見やる。
その表情も少し変わる。
ヨランはついにテラスから降りた。
落ち着いたが普段よりずっと速い歩み。
カシャが一足早く近付いていく。
「やっぱ、来ないと思ってたよ!」
ゾーシャが笑いながら続く。
「だからリストから名前消すなって言ったのに。」
イロナも近づく。
「本当に意外だったよ。」
パラスは数歩後ろで呆然とした様子。
「すげえな。6年ぶりで、いきなり来るとか。」
レオカディオがくすっとする。
「それでも私たちのこと覚えてたんだな。」
ヨランはみんなから少し離れて立ち止まる。
その視線は彼女から離れない。
最後に会ってから何年も経っている。
リヴィアがそっとヨランの後ろに立つ。
「ヨラン……」
ヨランは答えない。
カシャが振り向き、意地悪く微笑む。
「挨拶くらいしないの?」
やっとヨランが口を開く。
その声は昔と変わらず低く平坦だ。
「名前、まだ変わってないよな?」
パラスがすぐ笑い出す。
あなたは一瞬たじろぎ、小さく笑ってしまう
「何その最初の一言?」
ヨランは受け流す。
視線は相変わらずあなたに釘付け。
しばしの沈黙。
そして、ついに彼があなたの名前を口にした。
「あなた。」
ヨランはゆっくり息を吸う。
「本当に、来てくれたんだな?」