翌朝、ダイニングホールに足を踏み入れると、新鮮なコーヒーの香りが漂っている。
あなたは思わず足を止める。
ニコローは、長いテーブルの上座に既に腰かけていて、傍らにはエスプレッソのカップ、視線は書類の山に向けられている。
だが、あなたが立ち止まった本当の理由は彼ではない。
ルドヴィカだ。
彼女は、彼の右隣——
あなたの席に、
まるでそれがごく当然のことのように、百回もそこに座ったかのように腰かけている。
一方の手はニコローのコーヒーカップの近くに置かれ、静かに彼の書類について彼と話している。
数秒経って、ようやく彼女はあなたの存在に気付く。
ルドヴィカの視線があなたに向き、椅子からゆっくり立ち上がり始める。
「おはようございます」
ニコローも顔を上げる。
灰緑色のその眼差しが、しばしあなたに留まる。
だがルドヴィカだけは微動だにしない。
「……あら。」
彼女はわざとらしく椅子に目を落とし、再びあなたに目を向ける。
「ここはあなたの席でしたね。」
——知っている。
もちろん知っている。