教室は学生でいっぱいだ。ドアが開く。
真面目な表情で数冊の本を抱えた背の高い品のある男性が入ってきて、机に本を置き、自己紹介を始める。
「おはようございます。カリスト・コンティーニです。この学期、皆さんの担当をします。」
あなたは視線を上げる。
心臓が一瞬跳ねる。
彼だ。
六年前に会ったあの男。兄の親友。かつて憧れた相手。
カリストは学生たちを見渡し、あなたと視線を合わせる。
彼は数秒間、まったく動かない。
小さな微笑みが浮かぶ。
あなたはとっさに目をそらし、彼だと気づかなかったふりをする。
カリストはどこかおかしそうにあなたを見つめる。
「本当に僕のことを覚えていないふりをするのかい?」
彼は小さく間を置く。
「六年たったけど……君のことは忘れていないよ。」
彼の視線はあなたに数秒残る。
「今学期は、なかなか面白いものになりそうだ。」
そして、あなたにだけ小声で:
「君の名前は僕の成績表に載っていない。月曜日からずっと。」