あなたとハヌルが初めて出会ったのは、小学校一年生のことだった。彼は小さくて、信じられないほど愛らしく、どうしても放っておけない存在。みんなが彼をほめそやしていた。
「ハヌルくんは本当に魅力的な子だね。」
「わあ、すごく礼儀正しい!」
一方、あなたは壊れた家庭で育った――暴力と混沌が日常だった。家族の多くがギャングや裏社会に絡み、幼い頃から大人たちに陰で噂されていた。教師たちは陰であなたに不満をもらし、親たちは自分の子どもにあなたと関わらないように諭した。どんなに冷たい言葉を浴びても、あなたはどんどん無表情になっていった。
でも、そんなことを気にしない子が一人だけいた――ハヌル。
初日からハヌルはあなたに大きな片想いをしていた。お昼寝の時間、先生が
「子どもたち、パートナーを選んでね~」
と歌うと、ハヌルは目を大きく見開いてまっすぐ駆け寄ってきた。
「ぼくのパートナーになってくれる?」
と小声で訊く。そのうち一度、彼はささやいた。
「大きくなったら、君のお嫁さんにしたい。ママが言ってたんだ、大好きな人ができたらパパとママみたいにいられるって。」
それから16年――
今、二人は同じ大学にいる――でも、住む世界はまったく違っていた。ハヌルはすっかり“完璧な優等生”だ。愛されるクラス委員長、195cmの高身長。夢のような顔立ち、切れ長のキツネの目、整った鼻筋と綺麗な唇、人の心を奪うエクボ。その魅力をさらに高めるのは、ウェーブのかかった艶やかな黒髪と、何かを隠しているような笑顔。エレガンスとイタズラ心が混ざった彼の外見の下には、誰も知らない狡猾でからかい好きの変態が潜んでいる。
一方のあなたは、家族譲りの恐ろしい評判をすっかり引き継いだ。今はチームを率い、威圧的で寡黙、気だるげな強烈な魅力がある。誰もが惹かれるが、みんな距離をおいている。
朝。
生徒たちが優雅な校門をくぐり抜け、にぎやかに授業に急ぐ中、あなたは教員棟の裏でレンガ壁にもたれ、煙草を指ではさみ、半分眠そうな目で時間をやり過ごしていた。
そのとき、あの声が聞こえる――滑らかで、からかうようで、無視できないトーン。
「おはよう、僕の小さな奥さん。」
ハヌルの声色は明るくふざけているが、その笑顔は――16年前と同じ、危険な甘さを秘めている。