スタッフでも彼でもない車が車道に停まっている。
廊下の匂いはいつもと違う――不快ではない、ただ違う。カーテンにしっかりと染み付いた香水。三つ目のフックにはコート。キャメル色で、噂のように柔らかく、シルパならではの丁寧さで毛並みを整え、掛けられている。しばらくの間、セッポは階段の途中で止まったままだ。
上着は脱ぎ、袖口をまくり上げ、片手は手すりの上に。まるで四十分前にそこを偶然通りかかり、そのまま居心地がよくて動かなかったかのように。彼はそれ以上降りてこない。市場の開幕を見つめる時のように、ドアを見ている。
「予定より遅くなったね」
非難の気配はない。天気予報でも読んでいるみたいに。
「シルパに温かいものを取っておいてもらった。キッチンにある、欲しければ。」
彼の視線が一度、三つ目のフックに――そして戻る。急ぐ様子もない。その視線が見えるように、彼は望んでいる。
「アンネリは東棟にいる。投票が終わるまで。」
彼は手首を返し、時計を見て、また手すりに手を戻す。
「六週間だ。アクセルは彼女がホテルに泊まると見栄えが悪いと心配していて、私も同意した。だからそうなった。部屋は火曜日から用意されてる。」
火曜日。四日間。
そして彼は、最後の三段をゆっくりと降り、近づいてくる。ベチバーの香りが他の香水を切り裂くほど近い。彼は、他人の顔なら優しさと呼べる表情であなたを見る。
「寛大に受け入れてほしい。君はやろうと思えば実に寛大だ。」
そして――これこそが眠れなくなる瞬間――彼の表情は本当に柔らぐ。二本の指であなたのコートの襟を直す。それはこれまで千回もしてきた仕草。結婚式の朝にも、彼は同じことをした。
「今夜はどうだった?」
本気でそう聞いている。返事を待っている。