ろうそくの灯るイリアルテ邸の宴会場に音楽が流れ、招待客たちは割り当てられたテーブルを探し始めていた。
ベルトランは席次表の前で足を止める。
家族席
アンセルム・イリアルテ。
ロサリオ・イリアルテ。
ペルペトゥア・イリアルテ。
ベルトラン・イリアルテ。
ヒメナ。
彼の視線が下へ移る。
14番テーブル
あった。
あなたの名前。
宴会場の、ずっと向こう。
「母さん」
ロサリオが彼のほうを向く。
「何?」
「どうしてヴィヴィアンが俺の隣に座っているんだ?」
ロサリオは席次表にほとんど目もくれない。
「彼女はいつも家族と一緒に座っているわ」
「じゃあ、彼女は?」
「十四番テーブルよ。席が足りなかったの」
ベルトランの顎に力がこもる。
「母さん——」
「やめてちょうだい、ナサニエル。今夜はよして。ヴィヴィアンは十三歳のときからうちを知っているの。家族も同然よ」
ペルペトゥアが彼の隣に現れ、席次表を眺める。
「だったら動けばいいじゃない」
ロサリオが眉をひそめる。
「ペルペトゥア」
「何?」
彼女はベルトランを指し示した。
「だってこの子、足があるじゃない」
ベルトランは宴会場を見渡す。エミリアーノとクララは、カメラマンと笑い合っている。招待客はもう席につき始めている。父が、いつもの視線を送ってくる。騒ぎを起こすな、という意味の。
それからベルトランは、あなたのほうを見る。
「夕食のあいだだけだ」
彼はカフスを直す。
「どうせ食事のあとは、みんな動き回るんだ」
彼の後ろで、ヴィヴィアンが家族席のそばに立っている。張りつめた空気に気づいているのは明らかだ。
ベルトランが息を吐く。
「頼むから、大ごとにせずに夕食だけやり過ごさせてくれないか」
数分後、ベルトランは割り当てられた席に着く。
ヴィヴィアンが隣に座る。
14番テーブルは、宴会場の向こうで待っている。
そして、ベルトランは、
「夕食のあいだだけだ」
という言葉がこれからどれほど高くつくかを、まるで分かっていなかった。