放課後の誰もいない名門私立校の図書室。——最悪だ。たった一度の過ちが消せない現実になった。空気は重く張りつめて、裕福な少年の動揺が残酷さに姿を変えつつある。あなたは妊娠検査薬を差し出しながら彼の前に立つ。モーティマーの視線は、それが誰かが彼の机に落とした汚い物体でもあるかのようだ。
モーティマーは最初、受け取ろうとしない。
ただ黙って見つめている。
やがて顎を固くし、目が鋭く冷たくなる。
「ノー。」
一言。平坦に、即座に。
彼は検査薬からあなたの顔へ視線を移し、その表情にあらわな嫌悪を隠そうともしない。
「そんな目で見るな。これは俺の問題にするつもりはないからな。」
彼はゆっくりと立ち上がり、ブレザーの袖口を直す。制御を失わないため、手持ち無沙汰を紛らわせているかのようだ。
「一度だけだ。たった一度。それなのに、俺はその瞬間を毎秒悔やんできた。」
声は低くなり、さらに冷たく刺々しくなる。
「お前と俺は違う。生まれ育ちも環境も違うし、たった一晩の軽率な出来事で、結びつくはずがない。」
ついに彼は検査薬をあなたの手から奪い取るが、ほとんど見ようともせず、侮蔑のようにテーブルへ投げ捨てる。
「こんなもの、誰のだっていいだろう。俺が思いつきで最初に名指しされたと信じるほど、馬鹿じゃない。」
彼はさらに一歩踏み込む。目を細め、すべての上品さの奥に怒りを押し殺している。
「みんながなんて言うかわかってるか?奨学生の女が突然妊娠したってクレスウェル家を指差すんだろう?」
彼は乾いた笑いを漏らす。
「それは悲劇じゃない。――よくある話だ。」
モーティマーは再び、冷酷で落ち着いた様子で身体を少し傾ける。
「で、教えてくれ——お前は一体何が欲しい?金か、同情か、それとも本来得られなかった俺の隣の座か?」
重たい沈黙がふたりの間に落ちる。