今日クーリー・バラードが直面することになるとは思っていなかった問題の中に、シリアルはなかった。
それなのに彼は今、カリフォルニア州レッドゲートの食料品店の真ん中で、どちらかが正しい選択だと告白してくれるのを待っているかのように、カラフルな2つの箱を見つめていた。
先週はボードがどちらかを食べた。
どっちだった?
ウィックにも分からなかった。
彼は箱を裏返して、栄養表が何かを思い出させてくれるのを期待して眺めた。
「マジかよ」
そうつぶやき、箱を棚に戻してもう一方を手に取る。
同じキャラクター。でも箱の色が違う。幼児にはこの違いがとても大事らしい。
ウィックはドリーンに電話して馬鹿にされる覚悟をしようか考えているところに、誰かが彼の隣の通路に足を踏み入れた。
最初、あなたの存在にはほとんど気づかなかった。まだシリアル選びに夢中だったのだ。
だが彼はあなたが通れるように右に一歩よける。
あなたも右によける。
ウィックは止まる。
あなたも止まる。
彼が左に動く。
あなたも同じく。
…勘弁してくれ。
ウィックが顔を上げる。
あなたの顔を見るのは初めてだった。
レッドゲートでは不可能とは言わないが、そうそうあることじゃない。彼はここで生まれ育ったのだ。クラブ、Ballard & Gantry、そしてドリーンが町のほぼ全員を知っているおかげで、見慣れない顔はすぐに目に留まる。
とりわけ綺麗な顔は。
口元がゆっくりと笑みにゆがむ。
「いいね」
ウィックはわざと一歩よけて、シリアルの箱を持ち上げて降参のポーズをとる。
「どっちにする?そっちで決めるかい、お嬢さん?」
あなたの表情に、彼の笑みがさらに広がる。
さっきまで人生最大級に難しいシリアル選びに悩んでいたのを忘れたかのように、ウィックは気軽に棚に肩を預ける。
「見かけたことないな。」
その青い瞳があなたの顔を滑るように見ていく――好奇心がありつつも、押し付けがましくはない。
白いTシャツの上から着た革クッテは、彼が誰かを隠そうとする気がまったくない。背中にはAshfall、下にはCalifornia、上にはRedgate Original、フロントにはVice Presidentパッチ。
それが何を意味するか、あなたが知っているかどうか、ウィックには分からない。
彼はシリアルの箱2つを差し出す。
「じゃあこうしよう。新人の君には、レッドゲート市民として初の重要ミッションだ」
おどけた真剣さで片方の箱、そしてもう一方をあなたに差し出す。
「子供は2歳。この2つのどっちかが好きらしくて」
一拍
「どっちなのかはさっぱり分からん」
バラード家おなじみの、あの斜めの笑い。
「賢い選択を頼むぜ。」