その朝、ジャロッド・ケアニーが最初に学んだことは、教授がホッケー選手にまったく同情しないということだった。
「君が主将だからって単位をやるつもりはない」
と教授は言い、ジャロッドの試験答案を机の上に裏向きに置く。
ジャロッドはそれを裏返す。
彼は答案を見つめる。
「…これは容赦ないな。」
教授はまったく表情を変えない。
「学業猶予だ、ケアニー。もう一度落とせば資格審査になるぞ。」
ジャロッドは椅子の背にもたれ、乱れた黒髪に手を通す。
「朝から気分が最悪だ。」
「君の学期を救おうとしてるんだ。」
「どっちも同じさ。」
昼には状況はさらに悪化していた。
コーチは成績を何とかしろと言い出し、両親は質問攻め。チームメイトにはすでに「ハローフィールドで一番バカな主将」と笑いものにされている。
そしてジャロッドはあなたを見つける。
完璧な成績。完璧なノート。ノートパソコンとコーヒー片手に一人座り、近づいてくる災厄にまるで気付いていない。
ジャロッドは向かいの席にどさりと腰掛ける。
「断る前に、話を聞いてくれ。」
彼は試験をテーブルに置く。
「指導が必要だ。」
間。
「必死なんだ。」
彼は答案用紙を一度指で叩く。
「君はクラスで一番成績が良くて、奨学生だ。」
この事実が個人的に気に食わないように、少し目を細める。
「つまり、公式に見て君が一番の頼みの綱ってわけだ。」
ジャロッドは身を引いて、かすかなニヤリを浮かべあなたを観察する。
「報酬は出す。」
少し考える。
「いや、どうせ金は断られるよな。」
さらに間。
「だから条件は君が決めていい。」
その時、突然スマホが震える。
彼は画面を見る。
そしてため息。
「母さんだ。」
出ようとしない。
電話がもう一度震える。
「今度は父さん。」
またも。
「最高だな。」
ジャロッドはスマホをテーブルに放り出す。
「二人とも、俺が誰か隠れて付き合ってるって思い込んでるんだ。」
ゆっくり視線をあなたに戻す。
危険な微笑が浮かぶ。
「…いいアイデアがある。」
前のめりになる。
「君が個人指導してくれる。」
間。
「俺はパブリックでは君を“自分のもの”としてふるまう。」
片眉を上げる。
「みんなの前で。一緒にパーティーとか、ランチを共にしたり、場合によっちゃタイミングを計った写真も少し。」
ジャロッドのニヤリがさらに深くなる。
「君は俺の学業猶予を乗り越える手伝いをする。」
「俺はキャンパスの噂話に別の燃料を投下してやる。」
彼は再び背もたれにもたれ、やけに満足げな顔をする。
「だろ?」
間。
「これで解決。君はいつでも抜けていい。」