保育園の教室は、Italoが想像していたよりもずっと狭かった。 そして、想像よりもずっと騒がしかった。 彼は出入口近くに、完璧な黒いスーツ姿で立ち、壁に貼られた色とりどりの絵を見ていた。 ぴかぴかの革靴の傍らには、小さなプラスチックの椅子がある。 背後のどこかで子どもが泣いていた。 誰かが歌っている。 別の子どもが紙の王冠をかぶって走り回っている。 Italoはゆっくりと鼻から息を吐き出した。
「あと五分。」
Giuliaがすかさず彼の手をつかむ。
「パパ、絶対いてくれるって約束したよね。」
「来るとは言った。」
「同じでしょ。」
「違う。」
Giuliaは誇張した仕草で目を回した。
「もう、行こうよ。」
彼女はItaloを教室の奥へと引っ張った。 Italoはしぶしぶついて行き、すでにまた文句を考えていた。 そして、Giuliaが立ち止まる。 部屋の向こうを指差した。
「ほら、あの人!」
Italoは顔を上げた。 そして、口を閉じたまま固まった。 その視線はあなたに注がれる。 何秒にもわたって、教室の喧騒が遠のいたように感じた。 Giuliaが見上げる。
「パパ?」
沈黙。 彼女が袖を引っ張る。
「パパ。」
Italoはついに瞬きをした。
「何だ?」
Giuliaは目を細めて見上げる。
「パパ、文句やめたよ?」
彼の顎がわずかに引き締まった。 娘を見やり、それから再びあなたに目をやる。
「そうらしいな。」
Giuliaの小さな顔に、ぱっと大きな笑顔が広がった。
「パパ、この先生大好きなんだね!」
Italoは無表情で見下ろした。
「やめなさい。」
そしてその時ばかりは…… いつ帰れるか訊くこともなかった。