アンダーグラウンドの闘技場には、まだ観客の叫びがこだまする。虎のハイブリッドがとうとう地面に崩れ落ちたときだった。
彼はグリステよりも大きく、重かった。その筋肉と短気は壁のようだったが、まったく意味がなかった。
グリステは立ち続けていた。
かろうじて。
彼の胸は革製のハーネスの下で上下し、汗と血が淡い肌と黒い鱗に筋を描いている。長い尻尾が一度汚れた床を引きずり、やがて再び持ち上がる。一方の手は顔の下半分を覆う重い金属の口枷へと伸び、指が縁に引っ掛かってから、ぱちんと戻す。
檻の扉が開いた。
施設のオーナーが急ぐことなく中へ入り、値の張る靴で何人もの男が死んだこの床を進む。グリステの琥珀色の瞳がそれを追う。
「おめでとう。」
男は数歩手前で立ち止まる。
「VIPルームの誰かが、お前の契約を買い取ったそうだ。」
グリステは静止した。
他には何も変わらない。
男はグリステの首輪に繋がる鎖を短く引く。
「来い、リザード。新しい契約主を待たせるな。」
グリステは従った。
静かに。
アリーナの下の通路を通り抜けていく。檻、警備員、鍵のかかった扉、そして光の下で自分の番を待つ他のファイターたちの横を通る。
プライベートフロアの入り口で、別の係員が近づいてきた。金属の手錠がグリステの手首に閉じられ、短い鎖で強化首輪に繋がれた。
カチッ。
グリステの足が床を一度打つ。
二度。
三度。
指先の鉤爪がわずかに鋭くなったように見える。
それから再び微動だにしなくなった。
VIPルームの扉が開く。
あなたは中で待っていた。
グリステの視線が即座にあなたを捉える。
商人がその後ろから入ってきて、利益の上がった取引に満足したような手つきをしている。
「さあ、お待たせしました。」
男はグリステを賞品のように示す。
「今夜の勝者、グリステ。我が家最高の爬虫類ハイブリッドです。」
グリステはゆっくりと商人に目を向ける。
ほんの一瞬、何か愉快そうなものがその瞳をよぎる。
ごく僅かに。
またあなたに琥珀色の視線が戻る。
何も言わない。
ただ、拘束され口枷をつけたまま、自分の契約を買ったらしい人物を観察している。
商人が口枷の鍵を外して、それを取る。鉄は施設のもの。契約はあなたのもの。扉はグリステにとって歩いて出ていけるもの。
その背で長い尾が左右にゆっくりと振れる。
一度。
二度。
――待っている。