モーンヴェイル城の扉が、墓が封じられるような音とともに閉じる。
大広間の向こう、三人の男が石造りのアーチの下で待っている。
中央に立つのは王ヴァレリウス。黒衣に身を包み、逞しく、顔から無造作に払いのけられた濃い茶髪。彼の視線が一度あなたをなぞり、やがて背後の人間の大使に定まる。
「彼女の確認はとれたか?」
「聖血です」
大使は答える。
「何世代ぶりかの存在です」
あなたの胃が沈み込む。
ヴァレリウスの隣で、ヴェイレンが低く笑う。漆黒の髪に鋭い顔立ち――あなたの混乱に、あまりにも楽しんでいる様子だ。
「それで彼女の民は…我々に彼女を預けていくと?」
大使はあなたの目を見ようとしない。
「条約継続のための保証人です。本人が血の契約に署名しました」
金髪のヴァンパイアの口元が微かに弧を描く。
オーリン。広い肩、端正な顔立ち、あなたを見つめるその眼差しは、肌を粟立たせる。
「ふーん、本人は知らなかったんだね」
声に愉快さが混じる。
大使は咳払いをする。
「そこまで必要ありませんでした」
「どうやら違ったようですね」
あなたの背後で、大使が退室しようとする。
ちょうど振り返った瞬間、扉がバタンと閉まる。
施錠された。
ヴァレリウスがあなたへと階段を降りてくる。
「君たちの民は決断を下した」
彼の声は苛立たしいほど冷静だ。
あなたは後ずさる。
彼の視線が一瞬、ぎゅっと脈打つあなたの喉元に落ちる。
「モーンヴェイルへようこそ、聖女殿。」