卒業から四年、かつての仲間たちがついに再びマセオの海辺のプライベートヴィラに集まった。
何年も知り合いだった十一人。三台の車に荷物を積み込み。盛大な音楽、バーベキューの煙、そしてテラスのすぐ外に響く波の音。
みんな、来ない唯一の人物はあなただと思っていた。
あなたは大学最初の二年間、この仲間の一員だった。その後、他の大学へ転校し、人生は全員を別々の道へ引き離していった。誰ともケンカしたわけではなく、ゆっくりと離れていっただけだった。
そこへ、一台の車がヴィラの前に止まる。
「うそだろ…まさか…お前?」
その日初めて、マセオの表情が変わる。
そしてその隣で、コンスタンツァが気づく。
「本当に…来たの?」
大学最初の二年間、この十二人は常に一緒にいたものだった。
一緒にランチを食べたり、授業のあとダラダラ過ごしたり、 夜遅くまで課題をやったり、ノープランでどこかへ出かけたり、互いの誕生日を祝ったり。
そしてすべてが変わっていった。
三年目、あなたは海外の別の大学に転校した。
本当の意味で彼らと完全に離れたわけではない。フラヴィア、ミラベル、エステラとは時々会っていたし、たまに古いキャンパスにも顔を出した。でも残りの仲間たちとは、だんだん連絡が薄れていった。
マセオも含めて。
ケンカしたわけではなかった。大きな問題もなかった。ただ時間が流れ、人生が異なる道へ向かっていっただけだった。
卒業から四年、あなたにとっては最後に彼らと会ってから六年かも知れない。ついに皆で再会することに合意した。
マセオは自分の海辺のプライベートヴィラを提供した。
三台の車が先に出発し、ほとんどの荷物と人を乗せてきた。
彼らは来ない唯一の人はあなただと確信していた。
来てほしくないわけじゃない。あなたが仲間から遠く離れすぎたと思い込んでいただけだった。
マセオですら、出発リストにあなたの名前がなかったとき、ほとんど何も聞かなかった。
しかし数時間後、ヴィラの前に車が止まると、空気が一変した。
フラヴィア、ミラベル、エステラはすぐに降りてきた人物に気づいた。
リゴは危うく飲み物を落としかけた。
「うそだろ…まさか…お前?」
クリストフが振り返る。
「マジかよ?」
ジャコポが半信半疑の笑みを浮かべる。
「どうやらそのようだな。」
ずっとテラスのそばにいたマセオが、ゆっくり顔を上げた。
到着してから初めて、彼の表情が本当に変わった。
来ないと思っていた。
そして、あなたは来た。
マセオの隣でコンスタンツァがその顔の変化をじっと見ていた。
彼がほかの誰のことも見たときには一度も見せなかった何かが、 その目に宿る。
そして初めて、コンスタンツァは自分の居場所を脅かす存在を感じた。
波の音がマセオの広いヴィラの庭にしっかり響き渡る。
目の前にプライベートビーチが広がるヴィラ。広い庭とプール、いくつかのデッキチェア、バーベキューコーナー、大きな海向きのテラス。
三台の車は並んで一時間近く停められている。
リビングにはみんなの荷物が散らばっていた。階段横のスーツケース、ソファの上のカバン、テーブルの上の食べ物の箱、そしてずっと音楽を流しているスピーカー。
数週間かけて計画してきた再会が、とうとう始まった。
「誰がこんなでかいスピーカー持ってきたんだ?」
リゴが部屋の片隅を占拠した巨大スピーカーを指差す。
イアントが笑いながら答える。
「持ってこいって言ったのお前だろ。」
「おう。」
リゴは軽くうなずく。
「ナイス判断だったな。」
ミケルが二箱持って通り過ぎ、首を振る。
「まだ一時間も経ってないのに、もうこの騒がしさか。」
「同窓会だもんな。」
フラヴィアがキッチンから数本のドリンクを持って出てくる。
「エステラ、ミラベル、これ外に持ってって。」
「その辺に置いといてー。」
エステラが数本ボトルを受け取る。
「早くしないとリゴが全部飲んじゃう。」
「名誉毀損だ。」
「事実だよ。」
ヴィラ内は笑い声で溢れていた。
みんな、見た目は昔とほとんど変わらない。
ただ、みんなずっと大人になった。
外ではマセオがテラスで海を見つめている。
黒いTシャツとカジュアルなショートパンツを着ていた。片手にスマートフォン、もう一方はポケットの中。
コンスタンツァは少し離れて立っている。
「マセオ。」
「ん?」
「中に入らないの?」
「あとで。」
コンスタンツァが微笑む。
「さっきからずっと静かね。」
「元々静かだろ。」
「私といる時は違うのに。」
マセオが彼女をちらりと見る。
「コンスタンツァ。」
「なに?」
「やめろよ。」
コンスタンツァがくすっと笑う。
「なにを?」
「分かってるだろ。」
コンスタンツァは何事もなかったように微笑み続ける。
そのときエンジン音がドライブウェイに響く。
みんなが自然に顔を向ける。
一台の車がヴィラの前で止まる。
「今度は誰だ?」
クリストフが時計を見る。
「誰か来るなんて聞いてないぞ。」
車のドアが開く。
庭から近かったフラヴィアがふと黙り込む。
「ミラベル…」
「うん?」
「あれ…」
エステラも見る。
三人とも、顔が驚きに変わる。
「うそでしょ。」
リゴが窓の方へ歩く。
「誰だ?」
フラヴィアが大きな目でみんなに振り向く。
「来たよ。」
数人が立ち上がる。
「誰が?」
フラヴィアは答えない。
気にしていなかったマセオも、ついに顔を向ける。
視線が、到着したばかりのその人で止まる。
しばらくマセオは動かない。
ポケットに入れていた手が、ゆっくりと出る。
リゴが見る。
「マジか…」
返事はない。
コンスタンツァはマセオと、そしてその新たな来客を見比べて、ほんの少し表情が変わる。
マセオはついにテラスから下りた。
歩みは落ち着いているものの、いつもよりずっと速い。
フラヴィアはすでに歩み寄っていた。
「うそ、ほんとに来ないかと思った!」
ミラベルが続き、笑いながら言う。
「リストから名前消すなって言ったでしょ。」
エステラも加わる。
「これは本当にサプライズだね。」
リゴは少し後ろに立って、まだ信じられない顔をしている。
「ヤバいな。六年ぶりに突然現れるなんて。」
ジャコポが笑う。
「まだ俺たちのこと覚えてたんだな。」
マセオは群れの数歩手前で立ち止まる。
視線は動かない。
最後にあなたに会ったのは何年も前だった。
コンスタンツァがマセオの後ろに静かに立つ。
「マセオ…」
マセオは答えない。
フラヴィアがマセオを見て、悪戯っぽくにやりと笑う。
「挨拶くらいしたら?」
ついにマセオが口を開いた。
いつも通り、低くて平坦な声。
「名前、変わってないよな?」
リゴが思わず大笑いする。
マセオは無視したまま、じっとあなたを見つめている。
短い沈黙。
そしてようやく、名前を呼ぶ。
「お前。」
マセオがゆっくり息を吐く。
「本当に来たんだな。」