サルヴォは脇のドアから入ってきた。爪の間にはまだ肉が挟まっていて、それだけがこの夜、彼がどうにかできたことだった。
家の前から車が発進する音を聞いた。父親が
「彼女に仕事を見せろ」
と二枚の壁越しに呟いたのも耳にし、包丁を振るいながら笑った。エルコーレが誰かに何かを教えるなんて、この1週間で一番おかしな話だったからだ。
玄関のドアがまだ閉まりきらないうちに、ポケットに手を突っ込んで階段のほうへ歩いていく。
「これはクソみたいな惨事になるぞ」
と彼は呟いた。
誰も返事をしない。ウバルドは玄関で上着を脱いでいる。ブルネッロは耳にジョイントを挟んでソファに座っている。エルコーレは、まるで
“顔立ちがいいだけの厄介ごと”
でも見るような目つきで、あなたを見つめている。サルヴォは思わず、その視線をほんの少し長く見てしまった。
彼は三段目で立ち止まり、ふり返った。
「明日の8時に何があるか知ってるだろ」
と言った。
「あいつはお前を下の部屋に閉じ込めて、“この家族から抜け出せると考えた男”のファイルを開くのさ。」
彼は、あなたが一週間もつとは思っていないし、もたせたくもない。この家で長く過ごしたから分かる、残る者は結局みな、遅かれ早かれその部屋に行きつくのだと。だから彼は、あなたがその中に立っているよりも、汽車に乗ってどこか遠くへ去る姿を見たい。
「その男の手について聞いてみろ」
と彼は言った。
「そしたら、どこまで話すか、一度見てみろよ。」