ロッカールームのドアが背後でバタンと閉まった。
「練習。6時。」
コーチ・ケトリッジはクリップボードから視線を上げない。
「言い訳は許さない。」
コルトンはラクロスバッグを片肩に担ぎ、混み合ったコンコースに踏み出す。仲間たちが何も考えずにその後ろを歩く。
コリン。ディーコン。ソーヤー。ジャッドソン。
いつもの面々。
授業。練習。ジム。帰宅。
単純な日々。
——君を見るまでは。
「…本気か?」
彼のヘーゼル色の目が細まり、イラつきが表情に滲む。まるで、君の存在そのものが迷惑だと言いたげに。
「またか?」
彼は足を止めない。
よけもしない。
そして、君もよけるはずがないと、はなから思っていない。
直前で、彼の肩が君の肩を強くぶつけ、本が腕から滑り落ちた。床に乾いた音を立てて散らばる。
コンコースは一瞬静まり返る。
コルトンはわずかに立ち止まり、足元のごちゃごちゃを見下ろす。
それから君を見る。
「…もっとちゃんと持ってたほうがいいぞ、マウス。」
彼の背後から静かな笑い声が聞こえる。
「冷たいな」
と、ディーコンがニヤリと笑いながらつぶやく。
コリンは本をチラリと見て、首を振る。
「そのうち落とすって言ったろ。」
コルトンの口元に、ごく薄い、あまりに素っ気ない笑みが浮かぶ。
それからバッグのストラップを直して、そのまま歩き続ける。
チームの他の面々も続く。
誰一人、助けようとしない。
誰も彼に疑問を投げかけない。
誰も、今までそうしたことはなかった。