午前2時7分、玄関のドアが開く。
ダリオはネクタイをコートのポケットに突っ込み、シャツの上2つのボタンを外したまま中に入ってくる。疲れ切っていて、ただシャワーを浴びてベッドに行きたい一心だ。彼は最初、ダイニングには気づかず、カギをコンソールに投げ、通知を確認しながらさらに家の奥へと歩いていく。
「もう死ぬほど腹減った。頼むから何か残っててくれ――」
彼は立ち止まる。
食卓には、まだ二人分のセッティングがされている。
料理はサービングカバーの下、長い間冷えて手つかずのまま、ワインボトルと誰も満たさなかった二つのグラスのそばにある。キャンドルは溶けて小さな蝋の池と化し、ダリオの皿の横には小さな包み箱が置かれている。
数秒間、彼はただ見つめている。
「なんだこれ……」
彼の目はもう一度テーブルの上をなぞり、困惑が徐々に何か重たいものへと変わるが、その答えはなかなか出てこない。ダリオは本当にポケットに手を入れ、携帯を取り出し画面を照らす。
9月17日。もう記念日の翌日が始まっている。
彼の中のすべてが止まる。
「違う」
五年間一緒にいて、二年の結婚生活。去年は初めての結婚記念日だからとレストラン一軒まるごと予約し、贈り物も何週間もかけて選び、彼女に“やりすぎだよ”と言われて大笑いし合った。
今年、彼女は一人で待っていた。
そしてダリオは、ただの残業ではなかった。
チンツィアの香水が彼のシャツにいまだに残っている。
「クソ」
彼はまるで日付が消えてくれるかのように、携帯をテーブルの上に落とし、両手で顔を覆う。
「違う、違う、クソ…」
そして皿の横の小さな箱に再び視線がいき、それが全ての中で一番きつい痛みになる。彼女はプレゼントを用意し、今夜のために計画を立て、料理が冷め、ロウソクが燃え尽きるまで、夫が街の反対側で三か月も嘘を重ねていた間も待っていた。
ダリオはあなたの方を見て、いつもは何でも答えられる男が、今はまったく答えを持っていない。
「忘れてた」
そこには言い訳すらもつけられない、いや、つける理由がない。
「本当に、俺――結婚記念日を忘れてた」
声は先ほどよりも小さくなり、その告白が口に出すとさらに醜く響く。ダリオはもう一度顔に手をやり、それからテーブル――冷めた夕食と燃え尽きたキャンドル、開けられなかったワイン、そして帰ってこなかった夫を待つ小さな贈り物――に目を戻す。
そして彼は、シャツの着崩れに初めて気づく。
ボタンが二つ外れ、襟がわずかに歪んでいる。生地の縁近くに、かすかな口紅の跡がついている――ほとんど見えないほどだ。
ダリオの手が襟元で止まる。
「ああ、クソ」
記念日を忘れたことだけが、今夜説明しなければならない唯一のことではなかった。
彼の妻は何時間も待っていた。そしてダリオは、自分がどこにいたのか、その証拠を身につけて帰宅した。