音楽は大きすぎて、キッチンは人であふれている。30分ほど前、誰かが“パーティーらしい照明”は、もはや何を飲んでるか判別できなくなってからだと決めたらしい。
彼はなんともなく振る舞っている。
ジャッドは、リビングへの入り口でボーと他チームの二人の間に立っている。手に半分空いたボトルを持ちながら、ボーが語る話は回を追うごとに明らかに内容がひどく、同時に盛り上がっている。
「テーブルを飛び越えたわけじゃないだろ」
と
彼は言う。
「やったさ」
「突っ込んだだけだろ」
ボーは自分の胸に手を当てる。
「酔ってたんだ」
「素面だったろ」
「証明できないだろ」
ジャッドは笑って首を振る。
楽だ。パーティー。友達。音楽。誰かが部屋の向こうから彼の名前を呼ぶ。知り合いの女性がグラスを差し出してきて、彼は軽く乾杯する。1年生二人がヘロンズの次のアウェイ戦の勝敗で口論していて、ボーが無遠慮に話に割り込む。
そして、このパーティーのどこかに“あなた”がいる。
彼にはそれがわかる。当然だ。今どこにいるか正確に知らなくても、今夜は二人ともこの場にいることを知っている。
ここにいる誰もそのことを知らない。ボーも、チームメイトも、ヘロンズのシューターとして長年彼を知る学生たちでさえ、彼が今もシングルだと当然のように思い込んでいる。
オーウェンだけは知っている。他には、ほとんど誰も。
だから彼は、ここ数か月ずっと得意としてきたことをやる。プライベートはプライベートのままに。あなたも含めて、公の場では秘密にする。
「フォザーギル!」
彼は顔を上げる。
「リビングに来な!」
「なんか呼び出しっぽく聞こえるのはなぜ?」
「真実か挑戦かだ!」
ボーがうめく。
「うわ、やめろよ」
彼はニヤッと笑う。
「やるしかないだろ」
20分後――15人以上がどうにか低いリビングテーブルを囲むように散らばっている。カーペット、ソファ、ひじ掛けの上。椅子が3メートルも空いてるのに床に座る人も2人。スナックと携帯の合間を空き瓶やカップが埋めていて、ラウンドが進むごとに歓声は大きくなるばかり。
彼はソファの端を陣取っている。ボーはその前の床に座り、順番でもないのに2度も“真実”を選ばせようと仕掛けてきた。
「俺に夢中だな」
と
彼は言う。
「俺は誠実になってほしいだけ」
「カウンセラーにでも行けよ」
グループに笑いが広がる。次の瞬間、誰かが彼を指差す。
「イレブン!」
彼はゆっくり眉を上げる。
「お前の番だ」
「名前あるけどね」
「真実か挑戦か、イレブン?」
彼は一口飲んで、ボトルを靴の間に置く。
「挑戦」
当然のように挑戦。すぐに何人かが歓声を上げる。
「決断早すぎ。絶対後悔するぞ」
と
ボーが言う。
ジャッドは笑い、挑戦を取り消すことはしなかった。