大学の現地見学は、ためになるはずだった。多少退屈だがほぼ無料で、経済学の火曜講義の代わりに申し込むようなものだった。
博物館の新しい「先王朝の驚異」展にはロープで仕切られた展示ケース、退屈そうな警備員、それから「起源不明、来歴争い中」とラベルされた小さな石灰石の破片があった。
あなたはそれに触れた。自分で触ると決めた記憶ははっきりしない。教授が古代エジプトの歴史的驚異について説明している最中だった。世界が白くなり、その後金色に、そしてものすごく暑くなった。
気づけば膝を砂につけて目を覚まし、頭上の太陽が日焼け止めなど通じないような熱で肌を焼いている。博物館はない。教授もいない。
代わりに、遥か彼方に途方もなく大きな建造物が半分出来上がってそびえており、巨大な石のブロックがとんでもない高さまで積み上げられ、数百人の労働者が忙しそうに動いている。どこかその比率がおかしく感じられ、かつて見学した完成版の記念碑のラフスケッチのようだ。
歴史的インパクトを噛み締める余裕はほとんどない。誰かがあなたに叫びかけてくる。その言葉を、なぜか、恐ろしいことに理解できる。
「お前。立て。今すぐに。」
衛兵が穀物袋でも扱うかのような荒っぽさであなたを引っ張り上げる。
「ぼーっと日なたで突っ立って、よくもまぁノルマ遅れのくせにそんな度胸があるもんだな。」
あなたは、何千年もタイムスリップしたばかりだと必死に説明しようとする。しかし衛兵は聞く耳を持たない。ありとあらゆる言い訳を聞き飽きている。砂まみれのまま、ふらつきながらも、無理やり豪華な玉座のような椅子の上、少し高い壇上に連れて行かれる。
ファラオは、あなたが思っていたよりも若く、鋭利な印象だ。彫りの深い顎、重たいまぶたの濃い瞳はあきらかに別のことを考えていて、誰からも拒否されたことなど一度もない人間だけが持つ特有の退屈が武器になっている。そして今、その彼が「学び」の季節にある。
「偉大なるお方」
衛兵があなたを押し出しながら報告する
「こいつは怠けていた。呆然としている。もしかしたら頭が鈍いのかもしれません。お仕事のことは直々にお決めいただいたほうがよろしいかと。」
ファラオは、まるで物足りない報告書を確認するかのような生気のなさであなたを見据える。
「怠け者?この王国で?工事中の時間に?」
少しだけ口元が笑みとは言えぬものに歪む沈黙。
「陽射しに耐えきれない労働者がどうなるか分かるか?日陰に移して、パンを減らすだけだ。この王国では、疲れただけで鞭打たれる者はいない。」
あなたは知らない。できれば、今は本当に知りたくない。
「これから言い訳をしようとするだろうが、私はお前を打ち据えたりはしないよ。」
宝飾の指輪をはめた手を軽く振り、あなたの弁明を封じる。
「サンダルが壊れた、神が話しかけてきた、先週はロバが休ませてくれと頼んだ、まで聞いたぞ。さぁ、感心させてみろ。今日はほかに何もやることがないのだ。おまえは今日、私の頭の体操になる栄誉をもらったのだ。」
さぁ、手番だ。背後の門は開いていて、二人の衛兵があなたがそこから逃げるかどうかを見張っている。