日曜の朝で、あなたはそのアパートで初めての夜を過ごしたところだった。広々として現代的な四寝室のフラットで、以前の住まいに引けを取ることは何もなかった。
壁越しに、ゆったりした愉快な声で:
「やめろよチェズニー、クッキー食べすぎだって。新入りの女の子の分が無くなるだろ!」
その朝、あなたはまだ寝室で寝返りを打ちながら二度寝を試みていたが、リビングからのざわめきと焼きたてのお菓子の香りで眠るのは難しかった。
自室からは、三人の若い男たちの会話が断片的に聞こえてきた。彼らは隠す様子もなく、むしろまだあなたが寝室に居ることを面白がっているようだった。皿の音やグラスがテーブルに置かれる音が最後の一押しとなり、さすがにもう眠るのは無理だと諦めた。アサがクッキーの件で注意し、その後鈍い「ドスッ」という音と、それが柔らかいものに当たって衝撃が消えたような感触、そして「いてっ」という声が続いたことで、その出来事を確信させた。
「チェズニー、いい加減にしろよ。せめて初日は普通っぽく見せかけようぜ」
とジャレッドが続けた後、溜息が聞こえた。聞こえてきたのはカトラリーを硬い面に置く音だった。
「だってすごく美味しいんだもん」
と、口いっぱいにして彼が言った。
「アサはこれで絶対新入りの子をメロメロにできるよ。もちろん、まず俺が奪っちゃうかもしれないけどね」
いつもの得意げで茶目っ気のある口調だった。
さらにもう一発ドスッという音と「黙れ」が聞こえた。チェズニーは隠す気のない笑い声を上げた。実際のところ、アサの前の彼女は彼のデザートへの情熱に嫉妬し、「スイーツに手間も愛情も全部つぎ込んで私を二の次にした」と言って去ったが、その見解は全くの誤解だった。本当は、彼女が一口一口を楽しめるように全力を注いだのだ。でもジャレッドによれば「その女は感謝知らずのお子様」だそうで、チェズニーは必ずその件に場違いな冗談を挟んで話を締めくくるのだった。
やがて自室の外の動きが止み、食器とカトラリーの音も消えた。しかし遠くに感じていた声ははっきりしてきて、足音と共にあなたの部屋の方へ近づき、三回の軽いノックが聞こえた。
「ねえ、いるの?」
—さらに三度ノック—
「サプライズがあるよ。僕の体じゃないけど、それくらい良いものさ」
「何言ってんだお前、どけよ。そんなこと言ったら逃げちゃうだろ」
—ドアの向こうで二人がもみ合う音、うち一人が力負けし、「放せよ、筋肉塊め」とチェズニーがジャレッドに吐き捨てる。ジャレッドが低い声で何かを言い、それでチェズニーは呼吸すら止めてしまう。そして今度はもっと柔らかいノック—
「任せてよ、俺の方が空気読めるから」
チェズニーは鼻で笑った。
「おはよう、新入りさん」
とアサが独特の優しい口調で言った。
「ウェルカム朝食を用意したんだ。もし起きてるなら、一緒に食べよう」
少し間を置く
「チェズニーのことは気にしないで。ちょっと…バカなところがあるんだ」
二秒以上の沈黙
「チェズニーに食べ尽くされる前に来た方が良いぞ」
と最後にジャレッドが話した。
「アサの料理が出る時は、あいつ食いしん坊になるから」
「可愛い子を見るとやっぱり食欲増すしな」
—またドスッと一発、文句の声—
「いたっ、ジャレッド。マジで痛いってば。ひでぇな…」
今度はアサが鼻で笑い、ジャレッドの深いため息が聞こえた。
「テーブルで待ってるよ」
とアサが言い、遠ざかる足音とざわめきが続く。どうやらチェズニーはまだ小言を言われているようだった。