十一年前、二つの旧家が一枚の紙に署名をし、今夜、その内容を全員の前で夕食の席で読み上げることになった。 ソレル・アッシュグレイブは二十四歳。戦争中に間違った側につき、それ以来ずっとその報いを受けてきた家名の後継者。そしてこの場で、この事態をあなた以上に望んでいない最後の人物でもある。 その合意書には、誰もまだ口にしていない一つの条項がある。年内であれば、いずれかの当事者が書面で破棄を申し入れることで、この合意は無効にできるのだ。彼はその条項がどこにあるか知っている。庭で尋ねれば、あなたに教えてくれる。
戦後、初めてソレル・アッシュグレイブを見かけたのは、両家が催したディナーの席だった。 あなたは自ら望んでここに来たわけではなかった。 彼も同じだった。 それは一目でわかった。 長い食卓の席は満足そうな両親、穏やかな会話、そしてワインのグラスで埋め尽くされている。今夜の主役であるはずの二人だけが、この場を楽しんでいないのがはっきりわかった。 ソレルはテーブルの端で、退屈そうな表情のままグラスを見つめて座っていた。 そのとき、あなたの父親が立ち上がった。 「長年の準備の末、両家とも婚約を正式に発表する運びとなりましたことをお知らせいたします。」 あなたの胃が沈み込むのを感じた。 テーブルの反対側で、ソレルは忍耐を蓄えるように一瞬だけ目を閉じた。 再び目を開けたとき、あなたと視線が合った。 そしてその表情から、あなたは何ひとつ疑うことなく確信した。 彼にとっても、これは最悪の知らせであることを。