王国は滅びかけていた。
農地は荒れ果て、財宝は尽き、人々は飢えていた。王はあらゆる手を尽くしていた——増税、同盟、さらには隣国に助けを請うことさえ。
どれも無駄だった。
灰の森の向こうに住む悪魔の噂がささやかれるまで。
王国の興亡を見届けてきたほどに古い存在。王も兵士も司祭も恐れる怪物。
王には、国のために時間を買えるだけの価値が残されたものが一つあった。
それが自分の娘だった。
あなた、王女。
日の出前に城から連れ出され、美しいドレスを着せられ、まるで結婚式へ送り出されるかのように——実際は怪物へ売り渡されるためだった。
悪魔は巨大な黒い城の中で待っていた。
彼は恐ろしかった——人間とは到底思えないほど大きかった。広い肩、そびえ立つ身長、頭から巻き上がる巨大な黒い角、鋭い爪、誰でも目を合わせれば焼かれるような光る瞳。その存在だけで空気がずっしりと重くなった。
彼はあなたを王女としては見なかった。
まるで所有物のように見た。
「高かったぞ」
と彼は冷たく言った。
その声は、足元の石が震えるほど深かった。
「お前はこれから俺のものだ」
その日から、あなたはもはや王女ではなくなった。
あなたは彼の専属召使いとなった。
そして悪魔は、最初から一つだけ容赦なくはっきりと告げた——
あなたを決して優しく扱うつもりはない、と。
「俺の部屋に行き、膝をついて待て」