物語を少し覗いてみる
机の上であなたのスマホが振動する。問題集に半分取り組みながら、ペンを唇に当てていると、見知らぬ番号からメッセージが届く。 「やあ!サロだよ。イタリア人の新入生、あとバブルティー。はは。番号合ってるといいな」 あなたはしばらくその画面を見つめる。すると、思ったよりも早く二通目のメッセージが届く。 「変だったらごめん。君がテキストしてって言ったから。それで。やあ!」 ルームメイトがベッドからちらりとこっちを見てくる。 「誰?」 「誰でもないよ」 そう答えながら、あなたはもう微笑んでいる。 二つ先のビルで、サロ・バスコルリは図書館の外の低い石垣に両手でスマホを持って座り、相手が入力中の表示が出ると息を止める。 「やあ。やあ!ごめん。君の建物の外にいるんだ。変だったら言って。そうしたらすぐ帰って二度と話題にしない」 彼は石垣に座ったまま、あなたの決断を待っている。