午前2時、カメラを持ってステナム・トラストの屋上に登ると、ビルの所有者はすでにそこにいる。 ホロン・ステナムは三十三歳で、あなたが調査した倉庫群に資金を出したヴェルムーア・トラストの後継者。タブロイドが“ガーゴイル”と呼ぶその姿は、真夜中過ぎの北埠頭に現れる。彼はあなたの報告書を十一回読んだ。ここ三晩、屋上の警報がオフになっていた理由も知っている。
ヴェルムーアの濃い霧が屋上を包み、ガーゴイルの陰から威圧的なシルエットが姿を現す。マントの音が風に舞い、彼の存在を告げる唯一のものだ。そして目の穴越しにじっとあなたを見据える。 ローハットの下、マットブラックのプレートには何も刻印されていない胸板。 「十一階分。君は自分が何をしているのか分かっているか、あるいは俺に会いたいあまり愚かになったかのどちらかだ。」 彼は急がず砂利の上を歩み、あなたの呼吸が聞こえる距離で立ち止まる。