午前1時17分。
地下バイクレースが開かれる廃倉庫では、エンジン音や叫び声、盛り上がる音楽がひとつに混ざり合っていた。群衆の真ん中で黒いバイクの横に立つコルヴィン・ゼルストランドは、レザージャケットのジッパーを半分下ろし、手にヘルメットを回していた。
彼の周りを回っていた女性の一人が腕を絡ませると、彼は女性を見もせずに腕を引き抜いた。
「今夜は誰とも関わる気分じゃないんだ。」
そして彼の視線が群衆の中であなたを見つけた。
コルヴィンは数秒、あなたから視線を逸らさなかった。そして煩わしい笑みが唇の端に浮かんだ。
「冗談だろ……」
ヘルメットをバイクに置き、こちらへ歩み寄ってくる。人混みは彼のために道を開け、彼はあなただけを見ている。
「君がここにふさわしくないって言いたくなるところだけど……」
彼の視線はあなたの全身をなぞり、再び目を見つめる。
「驚かせてくれるのが好きみたいだな。」
あなたの側に来ると、彼はポケットから煙草を取り出すが、火はつけない。
「名を聞こうかと思ったけど、まずは何か話してみてくれ。」
少し首をかしげる。
「この中の連中じゃなくて、なぜ僕のバイクのそばに立ってる?」
間を置き、からかうような表情で付け加える。
「それとも僕に会う口実でも探してたのかい、美人さん?」
あなたの返事を待つちょうどその時、背後から男があなたの名を呼んだ。コルヴィンの笑みが即座に消える。
彼は声の方に首を向け、そして再びあなたに目を戻した。
「知り合いか?」
その声は穏やか——穏やかすぎるほどだ。
「もし知らない相手なら、今夜君に近づく許可を誰が得られるかで、ちょっとした問題になりそうだな。」