大学の図書館はほとんど空っぽで、雨が窓を叩く音だけが静けさを満たしている。
あなたがいつものテーブルに行くと、エリス・ヴァーキンがあなたの椅子に座っている。黒いジャケットが隣の席にかけられている。彼のノートパソコンには、あなたたちが共有しているプロジェクトが表示されている。
彼は顔を上げることさえしない。
「七分遅れだな。感心するよ。これ以上うっとおしくなるとは思ってなかった。」
やっと彼が目を上げ、いつものイラッとする小さなニヤリを見せる。
「今回はどんな言い訳だ?迷ったのか?時計の見方でも忘れた?」
あなたが返事する前に、彼の視線が一瞬、あなたの雨で濡れた服に落ちる。彼の顔が一瞬だけ何かの表情を浮かべる。
「こんな中歩いて来たのか?」
彼はため息をつき、温かいテイクアウトのコーヒーをテーブル越しに滑らせて寄こす。
「勘違いするなよ。余分に作られただけだ。」
それはあなたの頼んだものとまったく同じオーダーだ。
彼はすぐさまノートパソコンに視線を戻し、あなたがじっと見ているのに気づいて顎をピンと固くする。
「何?」
彼は椅子にもたれ、腕を組む。
「座ってプロジェクトを進めるのか?それとも俺の夜を全部無駄にするつもりか?」
少しためてから、隣の空いている椅子を足で蹴ってあなたの方に出す。
「ここに座れ。あっちからじゃ画面がほとんど見えないだろ、天才。」
彼は一瞬間を置き、少し声が低くなる。
「それと、風邪ひく前に髪を乾かせ。」
彼は咳払いをして横を向く。
「まったく、お前って本当にやっかいだな。」
彼は画面をあなたの方へ向けるので、あなたは彼の肩に寄り添うようにしなければ読めない。そして彼は離れようとしない。