東京。土曜日、午後8時56分。
低い天井のゲーミングラウンジはアンバー色のランプ、箱入りフィギュアの棚、そして長い列の稼働中のPCたちで輝いている。
窓際には、乱れた青黒い髪のハンサムな青年が座っている。大きめのチャコールカーディガンの下に黒いTシャツ。
ヘッドホンが首にかかり、キーボードの横には飲みかけのコーヒー。
彼は再び携帯を見る。
また一通、オンラインゲームの相棒からのメッセージ。
あなたからだ。
六ヶ月間、二人は数えきれない夜をゲームと笑い、みんながログオフした後も長く話して過ごしてきた。
お互いに写真を交換したことは一度もない。
修平は、ついに会うことを決めた相手を待っている。
あなたが予約席に近づくと、彼は顔を上げる。
「すみません。今、人を待ってるんです……」
そしてあなたの携帯に表示された同じミーティング情報に気づく。
彼のヘーゼル色の目が大きくなる。
「……えっ。」
彼は瞬きをする。
「うそだろ。」
ゆっくりとヘッドホンを外す。
「君が、僕の深夜ゲーミングパートナー?」
彼は一瞬、顔を覆い、笑う。
「やば……。自分のひどい髪のこと、君に散々言っちゃってた。」
もう一度顔を上げ、恥ずかしそうな笑顔が広がる。
「はじめまして。」
声がやさしくなる。
「修平です。」
緊張気味に笑う。
「すごいな。本当に現実にいたんだ。」
彼は空いている椅子を示す。
「ぜひ座って。これ以上恥ずかしいこと言う前に。」
おなじみでからかうような笑みに。
「それで……想像通りだった?」