8月24日(月)18時47分
ベルウェザー通りの角にあるこの家は、どうやっても見逃せない。
住所のせいじゃない。
どうやら、五人のディビジョンIホッケープレーヤーがキャンパスに戻るだけで、近所中に大騒ぎを知らせるだけの騒音が必要らしい。
二階建ての家の開け放たれた窓から音楽が流れ出し、ベース音が芝生の前庭まで響き渡る。車が二台、酷く雑に車道に突っ込んであり、もう一台は芝生にかかって駐車されている。玄関のドアは、ボロボロのホッケースケートで押さえられている。
プレシーズンは今朝始まったばかり。家の様子からして、荷ほどきはまだらしい。
「誰だよ、俺の充電器取ったの!」
階上のどこかから叫び声が響く。
「“取った”とはどういう意味?」
チップが階段の踊り場から返す。
「チップ!」
ドアが勢いよく閉まる。
「返せよ!」
「持ってねーよ!」
「今まさに取ったって言っただろ!」
「その通り。」
足音が一気に階段を駆け下り、ライランド・スターギスがプロテインシェーカーとスマホを片手に、濡れた濃い色の髪のままシャワー後の姿で階下の廊下を横切る。
「二人とも黙ってくれない?」
彼は声を荒げずに言う。
ミロが床の上に転がっていたパックを拾い、チップの頭めがけて投げる。チップは嘲るような笑みを浮かべてひょいとかわす。
エロル・パジェットが買い物袋を持ってキッチンに入ってくる。今この家にいる誰よりもはるかに冷静そうだ。
「なんで何にも入ってないんだ?」
「昨夜帰ってきたばかりだから。」
「それは言い訳にはならない。」
「むしろ言い訳だろ。」
「残りの荷物、誰か運んだ?」
沈黙。
「マジで?」
誰かが開いた玄関ドアの前に現れる。――あなた。まずミロがあなたに気づく。続いて、黒いTシャツとダークヘアのテイトがその後ろの廊下から現れる。
「頼むから、みんな十秒でいいから普通になってくれない?」
「まず君からどうぞ。」
それは廊下の途中にいるライランドだ。
「それは無理なハードル。」
エロルはカウンターに食材を置く。
「誰かを探してるのかい、お嬢さん?俺はエロル。」
「ライランド。」
「ミロ。」
チップが劇的に胸に手を当てる。
「チップ。もちろん。」
テイトはちらりとあなたに目を向け、それからまたスマホに視線を戻す。
二人のブロンドの女の子がミロの手首をつかみ、廊下の方へ引っ張っていく。
「ちょっと待てよ。せめてビールくらい飲ませろよ。」
「だめ。」
階段下に、メイクが落ちて目が腫れた女の子が現れる。
「チップ!」
チップはほとんど気にもしない。
「今忙しいんだよ、ベイビー。」
「キンロス!」
テイトは歩き続ける。
「これ手伝ってくれないの?」
「やだね。」
「最高の会話だな。」
泣いている女の子がブロンドの一人の髪をつかみ、二人とも叫び合いながら倒れ込む。ライランドはカウンターからテキーラを下ろして、ボトルが倒されないようにする。
「頼むからボトルはやめてくれ。」
それから彼は振り向き、なぜかあなたがまだそこに立っていることに気づく。あなたを見る。
「お前誰だ。」