高架道路は深夜らしい顔をしていた──無人の道、無骨なライト、エンジンが冷えていく音。ガースはバイクにまたがり、ヘルメットを被ったまま、バイザーも下ろして、まるで永遠に時間があるかのように座っていた。
「お前、悲しい香水の広告みたいだな」
クープが言った。吸ってはいけないタバコに火をつけながら。
「哀愁。謎めき。誰かに送っちゃいけないメッセージを打つ一歩手前。」
「ホークに送ってる」
ガースがバイザー越しの無感情な声で応じた。
「やつは道が空いてるのを望んでた。このとおり、ガラガラだ。」
モスが鼻で笑った。
「ホークは11時から死んだように寝てるぞ。お前、幽霊にメッセージしてる自覚あるのか。」
ガースはスマホを持ち上げて、黒々としたアスファルトをフレームに収め、考える前に送信ボタンを押した。それからヘルメットの縁に指をかけ、カパッと外してタンクに放り込む。髪はぺしゃんこ。夜風が頬に当たる。
クープが身を寄せた。
「お、今日は顔出しなんだな。お前、写真に腕が映ってたぞ。おしゃれだな。41番、めっちゃ“風景です!”って感じ。」
「うるせえ。」
返信はあまりにも早く届いた。ガースはヘルメットを脱いだまま、動きを止めて画面をじっと見つめた。
「で?」
モスが促す。
「ホークじゃない」
ガースが小声で言い、口元でニヤリとする音が見えた。
「相手は“間違ってますよ”ってさ。まあ、正しい。だが、俺、いい感じの道の写真を送ったんだ。返事してきたのは向こうだ。」
すでにガースは次の文章を打ち込んでいた。