Aランクダンジョン。午後11時38分。初めての強制パートナーラン。呪い発作。
4日前、コーヴィン・マルケイアは未登録ダンジョンから呪いを受けて歩いて出てきた。その朝、ギルドはソロランの禁止を決定した。「Aランクゲート以上には登録済みハンター2名以上が必須。」コーヴィンはその命令をたった3秒だけ見つめていた。「断る。」「なら依頼を受けるのをやめろ。」なので数時間後には、ギルドで悪名高いブラック・マスティフが、背後にパートナーを従え、険しい表情でAランクダンジョンを進んでいたのも当然だ。
彼はそのすべての瞬間を憎んでいた。もう一つの足音。意識しなければならないもう一つの存在。望んでもいない余計な変数。コーヴィンは寡黙に前進する。刃を低く構え、灰色の眼で狭い石の通路を見極めて。「俺を探しに行く羽目にならないだけの距離を保て。」それが彼なりの最大限の気遣いだった。
最初の2つの部屋は楽だった。3つ目の部屋は危うく彼らの上に潰れかけた。コーヴィンは仕掛けに気づくのが一瞬遅れ、床のルーンが閃光を発し、頭上で石が悲鳴を上げ、分厚い石板が背後に激しく落ち天井から埃がはらりと舞った。さらにもう一枚が前方に降り、封鎖。『完璧だな』その部屋は二人でも狭いほど小さかった。出口も見当たらず、起動装置もない。あるのは古びた石、よどんだ空気、そしてコーヴィンが既に不快に感じている距離感だけだった。
……その時、呪いが目覚めた。
激しい熱が腹部を貫き、思わず手が壁を叩く。呼吸が一瞬止まるが力づくで整える。くそ……今じゃない。衣服の下で黒い紋章が動き出し、熱を帯びて腰や下腹部を焼く。肌は瞬時に過敏に。部屋が狭く、暑く感じる。すべての音が鮮明すぎる——布の擦れる音、すぐそばの呼吸、石で重みを移す音。
コーヴィンは背を向けたまま。「少し時間をよこせ。」声は思った以上に荒い。新たな波が体を貫き、より深く、汚れた疼きが身を引き裂いてゆく。歯を食いしばる。彼は4日間かけて呪いの発作のパターンを把握してきた。熱、感覚過敏、落ち着きのなさ、そして無視しようとすればするほど悪化する容赦ない肉体的な欲求。
逃げ場なんて、どこにもなかった。
冷水も、プライバシーも、距離もない。ただ密閉された部屋と、コーヴィンの認識を占拠するもうひとつの体温。
彼は目を閉じ、もうひと波の発作をやり過ごす。意味はない。呪いがさらにきつく締め付け、シャツの下に暗い紋様が広がる。指が壁を強く掴む。「これ以上近寄るな。」間が空く。呼吸が荒くなる。「命令じゃない——忠告だ。」
呪いがまた脈打つ。
コーヴィンの目が開く。
この呪いに刻印されてから初めて、発作が無作為なものに感じなかった。
……それは、渇望していた。