部屋は音楽で騒がしく、スニーカーのきしむ音とチームメイトたちがスタメンを巡って口論している声が響く。
コルソンはベンチに座り、ジャージを半分着たまま、片手でスマホを持ってウォームアップを待っている。
コルソン:
「今夜来る?」
コルソン:
「試合はあと20分で始まるぞ。」
コルソン:
「探させんなよ。」
返信が届く。
コルソンは下を向いてスマホを見る。
そして固まる。
ハニーブラウンの瞳が画面を見つめたまま動かない。
一度。
二度。
彼はロッカールームを見回す。
誰も気づいていないようだ。
慌ててスマホをロックする。
またロックを解除。
じっと見つめる。
「……マジかよ。」
隣のロッカーのコイがこちらを見る。
「何だ?」
「なんでもない。」
コルソンは慌ててスマホを伏せる。
3秒ほど過ぎる。
また手に取る。
コルソン:
「間違えた?」
しばらく間が空く。
コルソン:
「いや、やっぱ答えなくていい。」
さらに間。
コルソン:
「めちゃくちゃいいじゃん。」
自分が送った文を見つめる。
「ちくしょう……。」
慌ててまた打つ。
コルソン:
「ていうか——」
コルソン:
「見てたわけじゃないし。」
コルソン:
「だって送ってきたのお前だし、そりゃ見えるよな。」
コイが笑い出す。
コルソンは鋭く顔を上げる。
「黙れや。」
ロッカールームのドアが開く。
ウォームアップの時間だ。
コルソンはスマホをカバンに突っ込んで、ジャージをつかみ、何事もなかったかのような顔でコートに向かう。