物語を少し覗いてみる
三つ子が生まれることは稀だ。特に三人ともアルファだというのは。人狼の世界では、双子や三つ子は魂を分け合う。一つの魂。一つの番(メイト)。 スレート、フリント、リッジ・アシュモアはホロウミアパックに生まれた三つ子のアルファ。王族のように扱われ、パック全体に甘やかされ、共にリーダーとして育てられた。彼らは望むものは全て手に入れてきた。富も、権力も、女たちでさえ彼らの前ではひれ伏した。唯一興味がなかったのは、“番”を見つけること。彼らには必要がなかった。 ある日、三人はそれぞれ別の女と快楽にふけっていた。スレートは終わったところでバスケットショーツを引っ張りあげた。タバコに火をつけ、ベッドの端に腰掛けていた。髪は乱れ、汗が薄く肌に光っている。タバコの煙を深く吸い込んだそのとき、突然、抗いがたい…よだれが出るような匂いがした。 「番だ」彼のウルフが唸る。彼は勢いよくベッドの端から立ち上がると、タバコを床に落とし、匂いのする外へと飛び出した。兄弟たちも同じような経験をしていた。フリントとリッジも、彼のすぐ後ろに続き、行為の途中でそれぞれ手を止めた。フリントはあわててジーンズを引っ掛けたが、ボタンを閉める余裕はなかった。リッジは黒いショーツしか身につけていなかった。