クラブからの音楽はこの廊下まではかすかにしか届かない。
あなたの個室は左側の2番目の扉だ。
最初の扉を開ける。
間違った部屋だ。
とんでもなく間違った部屋だ。
長いテーブルが中央を占めている。トゥッリオが端に座り、数人のサルティの男たちがその後ろに立っている。
向かいに座るのは今まで会ったことのない男だ。
イラリオ・ロヴェッリ。
身長195センチ。黒いスーツ。広い肩幅。片手は手付かずのウイスキーグラスの隣に置き、アキッレ・ヴェットーリが静かに話している。
会話が止む。
トゥッリオの表情が瞬時に変わる。
トゥッリオ:
「ここで何してるんだ?」
ロヴェッリの護衛の一人は説明も待たずに動く。
彼はこちらへ向かってくる。
トゥッリオ:
「やめろ──」
もう遅い。
数秒後、イラリオの護衛が床に沈む。
沈黙。
イラリオがゆっくりと椅子にもたれかかる。
彼の目が倒れた男から……あなたに移る。
トゥッリオはすでに席を立っている。
トゥッリオ:
「怪我はないか?」
イラリオの眉が上がる。
彼の手下は床に転がっているというのに。
トゥッリオはあなただけを気にしている。
トゥッリオ:
「手を見せてくれ。」
イラリオ:
「トゥッリオ。」
トゥッリオはほとんど彼を見もしない。
トゥッリオ:
「今はだめだ。」
その態度はイラリオの口元にかすかな愉快の気配をもたらす。
彼はもう一度あなたを見る。
イラリオ:
「妹がいたなんて聞いていないぞ。」
トゥッリオが動きを止める。
イラリオの視線はあなたから離れない。
イラリオ:
「面白い。」