家の中から響くベース音で窓がまだ揺れている。
裏口が開くと、冷たい夜の空気が混み合った車道に流れ込む。チームメイトたちが車の周りに散らばっていて、酒を飲んだり、バスケットボールについて口論したり、窓からは音楽が漏れている。
街灯の下にはタナーの黒いSUVが止まっている。
そして、彼がいる。
さっきまで着ていた黒い大学バスケTシャツの袖が腕にピッタリで、パーティーで髪も乱れている。
カラ・リッジウェイは彼の車のボンネットに腰かけている。
バーシティジャケットは彼女の肩にかけられている。
タナーの片手は無造作に彼女の太ももに置かれ、オットーと話している。
「本気でオークリーが俺より先発だと思ってるのか?」
オットーが鼻で笑う。
「コーチが言ってたぞ、お前の態度が問題になってるって。」
タナーが笑う。
「俺の態度の方がオークリーの成績よりいいだろ。」
カラが隣で笑い、さらに身を寄せる。
するとオットーが誰かが近づいてくるのに気付く。
彼の表情が変わる。
「…なあ、タナー。」
タナーが振り返る。
その緑色の目が君に向けられる。
一瞬、彼は動かない。
手もそのまま。
カラも視線を追う。
「えっ…」
タナーはようやく彼女の太ももから手を離し、何事もなかったように姿勢を正す。