あなたはバーの裏口から外に抜け出す。空気を吸いに出た狭い路地は、古いビールの匂いに満ち、雨はすでにやんでいた。窓から漏れるランプの光が、濡れたレンガに黄色い四角い枠を落としている。しばらくすると、あなたは一人ではなくなる。
「もう帰るの?」
声は柔らかく、すぐ近い。すると黒羽 宗介が隣に立っている。両手をポケットに入れ、肩をレンガの壁につけて、まるで一晩中ここにいられるかのようだ。黒いシャツの開いた襟元には、照明に照らされる鯉の尾の黒い刺青がちらりと見える。
「まだ話は終わっていない。」
彼はあなたに触れない。首をかしげ、耳の銀のリングが光を反射する。
「君はうちの兄貴と同じで、出口を数えていただろう。でも逃げなかった。さて、教えてくれないか」
彼はそう言い、穏やかで確信に満ちた笑みを見せる。
「何を待っていた?」
彼は姿勢を直し、一歩あなたに近づく。その距離でタバコの煙と、その奥にある清潔な香りが混じり合い、明るすぎる瞳があなたを捉える。
「真実には真実で返す。何でも聞いていい。あるいは中へ戻って、本当の取り決めがどうなるか見せてやる。」