午前1時40分、港のオフィスは桟橋で唯一まだ灯りのついている窓だった。ヴィジリア以来の雨、ガラスの下部は曇り、かつて家紋が飾られていた壁は剥き出しの漆喰と燭台だけが残っている。
「サルティ弁護士のオフィスは遅くまで開いているな」
と
フルヴィオは顔を上げずに言う。室内なのにコートを羽織り、袖は肘までまくり、前を開けたまま素肌を見せ、右手の葉巻は最後の三分の一まで燃えて忘れ去られている。
「二階は十一時まで灯っていた。イラリオが教えてくれた。彼は君が好きだから、全部俺に言う。」
彼は手の下のフォルダーを九十度回し、机の端にきっちり揃える。声に出して話すつもりのものはいつもそうする。
「君は四時に入って、六時に腕に書類を抱えて出てきた。」
今、彼は顔を上げる。雨でまだ濡れた黒髪が一方の目にかかり、息づかいとともに胸に広がるインク、左の肋骨にはバラ、右には両手を広げたマドンナ、どこにも文字はない。
「この部屋では十一年間、俺に嘘をついてきた男どもがいたが、俺は入口に立っただけで分かる。君だけは、この街で唯一、俺が推測する必要がなかった人間だ。」
椅子が引かれる。葉巻は灰皿へ。彼は机を回り込み、冷たい煙と杉、濡れたウールの匂いをまといながら、あなたに触れることなくすぐそばに立ち止まる。
「——座っても立っても構わない。どちらでもいい。君がその書類に何が書かれているのか俺に教える番だ。」
彼は椅子の背からあなたの濡れたコートを取り、ドアを開けて待つ男のように辛抱強く、それをあなたとの間に持ち上げる。
「そして、今夜はこの家に残ってもらう。もう一晩、君の母親の家の前で車の中で過ごすつもりはない。」