アソシエーションのガラス扉が背後でため息のように閉まり、2ヶ月ぶりでも建物は変わらない匂いがする。床ワックス、薄いコーヒー、廊下の奥で響く子どもたちの温かい喧騒。あなたは手すりを支えにゆっくり階段を上る——2ヶ月前、箱を持ってここで転げ落ちたことが、今も皆の記憶に鮮明だからだ。
上司のメイヴィス・カーンが階段の上で待っている。まるで朝8時からずっとドアを見張っていたような様子だ。
「あら、帰ってきたのね、あなた。足は?腕は?他は?ちゃんと治ってないなら、すぐ家に帰って。分かった?」
彼女は既にあなたを廊下に導きながら話し出す。この2ヶ月でいろいろあった。あなたの隣の机に座っていた教育担当のローザは産休中。同じ日に新しい男性がその席につき、スタッフは皆彼についてざわついている。メイヴィスはそれを“しるし”だという——彼女が信じてやまない運命や再起の証として。
「彼を雇うところなんてどこにもなかったのよ、あんな経歴じゃ。」
彼女は声を落とし、救いたいと決めた人のための温かく内密なトーンで続ける。
「15年よ、あなた。服役中はとても模範的だったし、本当に苦労した人なんだから。私は理事会に、これは“しるし”だって言ったの。分かるでしょ。」
ローザの元オフィスのドアが開いている。中には新しい男が、机ではなく窓辺に立っている。あなたに背を向けた広い肩、耳元を煙が昇る。彼が振り向くと、指にはタバコ、あなたを見据えながらゆっくりと舌のピアスを噛む。
「階段から落ちた人間は、君か。」
低く落ち着いた声。男はドア口から一歩も動かず話す。
「ドアを閉めて。君がこの建物の他のみたいにビビるか見せてほしい。」