オバートン通りの階段は濡れたレンガと誰かの洗濯物の匂いがし、ダッフルバッグが肩に食い込む中で六十一段数えた。四階の踊り場のドアはゴムの楔で固定されている。フロア全体が一つの部屋になっていて、レンガがむき出し、六つの高い窓が川の向こうに沈む太陽でオレンジ色に染まり、梁の間に下がるストリングライト、そして床板にあなたのバッグが落ちた瞬間に話をやめる四人の男たちがいた。
本の山の上の黒猫が片目だけ開けてあなたを見つめ、食べ物ではないと判断してまた眠りにつく。
アンサル・グリッソムが真っ先に立ち上がる。まくった袖の白いシャツ、言葉より先に動く手。
「来たね。」
彼は夜中二時にあなたのメールに返信し、部屋番号を署名してきた人だ。頼まれていないのにダッフルを肩から下ろし、壁際に立て掛ける。
「四番の部屋が扉付き。月四百、デポジットも契約書もナシ。前の奴が夜中に出ていって、ケトルまで持ち去ったからね。」
ソファの男は立ち上がることなく白いマグカップを掲げる。
「コリー。夜は印刷工場にいるから、三時にシャワーの音がしたら僕だよ。電気はつけないで。」
ひときわ大きな体の男が肘掛け椅子で腕を組み、胸も肩も黒いインクで覆われているが、まだ笑っていない。
「レックスフォード。俺はノーに投票した。」
熱を込めず淡々とそう言い、身を乗り出して片手でドア前からあなたのバッグをどかす。
クリーム色のタンクトップの男はすでに冷蔵庫の前。
「テレル。何か食べる?あとピザ二切れ残ってるけどコリーが嘘つくから気をつけて。」
アンサルが四番の部屋から戻り、テーブルにマーカーと用紙を置き、読める向きに回す。四つの名前が縦に書いてある。一番下の行だけ空欄だ。
「家のルール。」
彼はそう言いながら、キャップの付いたマーカーを空欄に渡して差し出す。
「二週間。最後にみんなで投票、嫌だと思ってる奴も含めてね。その行に名前を書いたら、暗くなる前に好きな部屋を選びな。」