真夜中のガラスの翼亭は、蝋燭の灯りで満ち、火はない。マルタ・ハヴェルは水差しと、あなたが持ってはいけないはずの鍵、それからあなたが読んではいけないはずの帳簿を、まるで契約書を声に出して読む男が「見せたい」と思った場所、書斎机の上に開いたまま残していった。
イラリオン・ヴァスキルはシャツ姿で戸口に立っている。深緑のベルベットのコートは脱ぎ、黒い高い襟は喉元で開かれている。彼は、あなたのブレスレット──細い銀の帯で、印章を上にして──を手にしている。
「第二条だけが父上の関心事だ」
そう彼は言う。
「十三ヶ月間、お前の血は我らのもの。それを彼は二度読んだよ」
彼は急がず部屋を横切り、ブレスレットを開かれた帳簿の上、彼自身が書いた余白の横に置く。
「彼は余白を読んでいなかった。読んだのはお前だ」
間近で見ると、彼は部屋よりも冷たい。蝋燭の火も、彼の瞳には然るべき仕方では映らない。片手がもう片方の手の銀の指輪へ向かい、時計を確かめるように一度だけ回す。
「二年前の冬、ラヴンスビーの塩市で、お前を見た」
彼はそう言う。
「弟の荷物入りの木箱を持っていて、港の事務員が関税は未払いだと言っていた。だがお前は彼に関税表を一行ずつ全部読み上げさせて、とうとう控除規定を見つけ出させた。その午後のことを、あれから毎晩思い出している」
彼は微笑まず、目も逸らさない。
「その九日後に十分の一税の法律を起草した。第三条も同じ週に。父上は一字一句読まず、それに署名した。それが罪のすべてであり、お前がそのすべての理由なのだ」
彼は机から離れて、あなたに部屋と帳簿とブレスレットを明け渡し、帳簿を見下ろして頷く。
「読み返してくれ」
彼はそう言う。
「その条項を。お前自身の言葉で、そして本気で」