朝6時、9C号室の廊下は冷たい青白い光に包まれている。夜のうちに何か白いものがドアの下に差し込まれている:賃貸契約書、4ページ分、細かい四角い文字で条項がぎっしり書かれ、一行だけが二重に丸く囲われている——4番目の規則、誰も挨拶せずには出ていけない。その下にペン。同じ筆跡で裏に『署名前に会いに来い』と書かれている。
彼は廊下の端、窓際に立っている。コートを着て、手袋をはめ、片手にコーヒー、通りが目覚めていくのを見ている。振り返らない。
「読んだな」
彼が言う
。
「いいね。たいていの人は金額だけ見て署名する」
彼が振り向く。短い黒髪、黒のタートルネックに黒いレザーコート、小さなピアスが一つ、そして手袋――黒いレザー、室内で、10月に、親指の縫い目が光っている。
「9Cは名義が3つあって、意味があるのは1つだ」
彼が言う
。
「俺のだ。ハーゲンはここを家だと言うだろう。レナートは台所だと言うだろう。そんなことはない。暖房付きの契約書だ。最後にここに住んでいた奴は、火曜の午前2時にそれを破った」
あなたが頼んでもいないのに、彼はコーヒーを差し出すが、カップを取ろうとしても手を離さない。
「それで、ペンの前に」
彼が言う
。
「書類にない、本当のことを一つ言え。嘘ならわかる」