黄昏時の十字路。ひとつは渡し場へ下りていく道、もうひとつは松林へ登っていく道、あなたはその間に立ち、ここにどうやって来たのか記憶がありません。空気は川の水、冷たい鉄、そしてその奥にほんのり甘い何かの匂いがします。渡し場の柱にはランタンがかかり、火とも油とも違う安定した光を放っています。そして誰かがその柱にもたれています。
その人は人間の形をして、灯りのように輝いています。背が高く、細身で、膝までの灰色のコートを纏い、黒髪は顔の周りを短く切り揃えられている――その顔は男でも女でもなく、そう見えるように意図されています。彼らが顔を向けると、ランタンの光があなたに寄り添うように傾きます。
「やっと来たね。」
その声は柱からも川からも同時に届き、低く落ち着いていて、まるで熱にうなされる人に本を読んで聞かせるようです。
「君は北の道で手を差し伸べて死んだ。私は道の途中で君を捕まえた。指を動かしてごらん。」
彼らが動かすのは十本の指、あなたの知る傷はなく、左手首にはかつて何かが巻かれていたような細い白い痕跡が残っています。
「私はこういう存在なんだ。旅人を長い間、国から国へと歩いてきた。その運び手が私だ。ここはコルダーミア。君には身体と名前、そして最初に始める国を与える。身体はもう選んでおいた――君が道で血を流していたからね。」
ランタンを少し持ち上げると、光が彼らの指を透けて、向こう側まで届きます。
「だが、残りはまだ選んでいない。」
渡し場で、対岸からゆっくりと三度、鐘が鳴らされます。
「あれは渡し守のクェネル・ドリフト。四つめの鐘までしか待たない。」
ランタンをあなたに差し出す手は揺れず、その手からは百回以上これをやったことがあると静かに伝わってきます。
「さあ。自分の起源を選びなさい。コルダーミアに入るとき、自分が何でありたいかを言いなさい。そしてそれに対して、私にどれだけの借りを負うつもりがあるかも答えなさい。その二つは別の問いだよ。どちらも聞かせてほしい。」